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□中学生だから
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みんな…遊びほうけているけど…大丈夫なのだろうか。僕たちは一応中学生だから例え世界を救うためとはいえ本来なら勉学に励まなくてはいけない時期。LBXばかりやっていても頭は良くならないし…ジェシカは見るだけで覚えれるからいいだろうけど…他は…。ユウヤには中学校レベルの知識は教え込んでおいたから大丈夫だろう。バン君、ヒロ、ラン…あの3人は大丈夫だろうか。
「ジェシカ、少しいいか?」
「ええ」
ジェシカにさっき考えていたことを話す。するとジェシカは、そうだった。と手を打った。二人でどうにか勉強会をしてもらおうと手をうつことにした。さてどうしようか。
「僕たちから言っても、きっと大丈夫で終わってしまうな」
「ええ、やっぱりMr.宇崎に言ってもらうのが一番いいかもね」
「そうだな。言いに行こう」
「ええ」
僕たちは拓也さんがいるであろうブリーフィングルームに向かった。ドアを開けるとやっぱりそこに拓也さんはいた。僕たちはさっきまで考えていたことを拓也さんに伝えると、ちょうど今日本からその連絡が来たそうだ。学力の低下がないか丁寧にテスト用紙の見本までメールに添付されていたらしい。
「みんなに伝えようか」
「はい」
みんながいる部屋に戻ると拓也さんが口を開いた。そしてテストの事を伝えるとみんなの顔が青ざめていく。…僕も勉強しないと。
「テストは明日までが期限と書いていた」
「えっ」
「まぁ勉強してない訳はないだろうから大丈夫だろう」
わ、拓也さん分かってて言ってる。みんなが慌てて勉強しに部屋に散った。拓也さんは僕たちに頼んだぞと言ってもといた部屋に戻っていった。ジェシカ顔を見合わせる。さて、どうしようか。
「ユウヤに協力してもらおう」
「できるのかしら?」
「ああ、中学生レベルなら教え込んだ」
「それならマンツーマンで教えれるわね」
そうだな。ちょこんと座っていたユウヤをこちらに呼び寄せる。マンツーマンの趣旨を話すと任せて!力になるよ。と笑った。よし。これで教える側は大丈夫だな。
「じゃあユウヤはランとね」
「わかった。じゃあ行ってくる」
ユウヤはランのところに駆けていった。さぁ、後はバン君とヒロだな。さぁ…どうしようか。
「…あたしがヒロを教えるわ」
「あ、わかった」
ジェシカがヒロのところに歩いていく。僕もバン君のところに行こうかな。きっと寝室にいるだろうから僕も早くいかなくちゃ。
「バン君、進んでる?」
「ジン…もう全然…」
「一緒に頑張ろう。僕が教えるから」
「ありがと…じゃあここなんだけど」
「ああ」
この横の部屋は女子の寝室。ユウヤとランが勉強しているのかもしれない。もしかしたらジェシカとヒロかもしれないが。そんなことをボーっと考えているとバン君に解説を求められた。ああここはと言って説明していくが当のバン君は頭がぐらぐらと揺れて今にも寝てしまいそうだ。
「バン君、眠たいかもしれないが、ここは我慢だ」
「ぅ…うん」
そう呼びかけても頭が冴えていく様子はない。ここは…恥ずかしいがやってみるか。ジェシカに言われた方法を…。だってこうすれば絶対起きるんだろう?
チュッ。
「…ん?……ぇ、あ、ジジジジ…ジン!?」
「目が覚めたみたいだね、続きをやろうか」
「い、今ジンからキス!」
うわぁ…恥ずかしい。顔から火がでそう…。カァッと顔が赤くなっていくのがわかる。…バン君も僕にキスしてくれる時、こんな気分なのかな。…そうだったらいいな。
とそこまで考えて気持ちを切り替える。僕が集中させるためにキスして、それに対して僕が集中してなくてどうする。さ、続きをやらないと。
「バン君、続きを」
「そんな、事されて…勉強なんかすると思う?」
「え?」
な、なんか…ジェシカと言ってることが違う!集中するっていうからしたのに!むしろ逆!逆効果。そんな、ちがう。だって…危ない雰囲気…が。
「バン君…数学…」
「始めるよ…保健体育」
そのころ。
あぁもうなんでこんな簡単なことも覚えれないの?これはもう解説を入れるしかないかしら?そう思って説明してあげると、ああそうか!わかりましたよジェシカさん!とヒロがスラスラ解いていく。理解力はあるのね。褒められて伸びる…タイプだし。
「すごいじゃないヒロ!さ、次もこの調子で…」
そういいながら横をちらりと見る。ランが、もうわかんないよー!と教科書を破る勢いで引っ張る。それをユウヤが優しく宥める。あっちはあっちで大変そう。一回怒れば静かになりそうなものだけど…。
「ぁ!…あ!バン、く…」
ギシギシッ ギシッ
「「「「……………」」」」
え、となりは男子の寝室。ジンとバン…。あー…しくじったわねジン!私があんな事言ったからかしら?冗談だったんだけど…。
「ジン!聞こえちゃうよ?」
もう十分聞こてるわよ。そのあとはギシギシというベッドの軋む音と時折聞こえるジンの甘ったるい声が勉強会を妨害してくる。
「あーー!もう!集中できない!」
気まずい雰囲気で静かになっていたランが立ち上がった。そして覗きに行こうと誘ってきた。最初は3人で止めたが、なんで?みんなは気にならないの?と言われ、気になるっちゃあ気になるね。とユウヤが真面目に答え、ヒロまでもがコーチのことは見て学ばないといけないんですよね…。と言い出す始末。……みんなが行くなら…私も…行くわよ。
「本当に覗くの?」
「まだギシギシ言ってるし、当たり前じゃん!」
そーっと扉を開けた。中は明るくてすぐにバン達をみつけれた。……繋がってる……………みなければ…よかった。
「戻りましょう…」
「なんで、まだ…あと少し…」
「ラン君、気になるのは僕もだけど…明日…テスト」
「ぅ…そうだね…コーチ」
「ヒロも行くわよ」
「バンさん…僕には少し…」
「しなくていい」
あーもう。変なもの見ちゃった。今日はあの二人、晩御飯抜きね。さ、勉強勉強。
翌日の試験。バンだけが勉強不足と見なされるのは予想通り。
(ジン「僕も国語…一問落としてしまった…」
バン「それでも国語以外100点じゃん!」)
Fin.