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□こっち向いてよ
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「ジッ…」

「ジーン!!今からバトルしよう」

「ああ、わかった」

あっ!行っちゃった…また誘えなかったよ…。朝はいつも出遅れるなぁ…。僕はジンくんが好き。だからできるだけ振り向いてもらいたくて、一緒にいたくて…。でもジンくんのことを好きなのは残念ながら僕だけじゃない。最大のライバルといってもいいだろう。それはバンくんだ。僕が入院してる間バンくんたちはきっと二人で協力したりして絆を深めてきたと思う。でも僕とジンくんは今からそれを築かないといけない。結構なハンデがあるけど、それも恋にはよくある試練ってやつなのかな。
バンくんとジンくんのバトルが終われば僕もジンくんと一緒にいれるように何かしよう。何がいいかなぁ…。今まではLBXしか習ってこなかったけど、僕は今恋してる。恋って。人を想うって楽しいな。僕、振られてもジンくんが幸せならいいや。だってこんなに楽しいことを僕に教えてくれたんだもん。まぁ譲るつもりはないけどね。最大限の努力をして振られた時はって話。

「あ、ジンくん!」

タイミングよくジンくんが現れた。バンくんはいないけどどうしたんだろう。でも次は僕がアプローチする番だね。

「ああ、ユウヤ」

「ねぇねぇ今から一緒にLBXのメンテナンスしてくれない?」

「ああ、構わない」

僕もさっきバンくんと闘ってトリトーンのメンテナンスをするところだ。と言って僕について来てくれた。よし!あとはメンテナンス中に仲良く話すだけ!頑張るぞー!

「ねぇジンくん、グリスかして」

「ああ、ここに置くぞ」

「ありがと」

お互いメンテナンスは真剣にやっていく。それがあらかた片付いたとき僕はジンくんに話しかけた。

「最近はミッションもなくて平和だねぇ」

「ああ。いいことだ」

「ジンくんとこうやって平和に過ごせて幸せだよ」

「僕も。こうやってまたみんなで過ごせるなんて思ってもみなかったよ」

みんな。か。僕はジンくんって言ったのに。まぁこれから僕の方を向いて行ってもらうんだけどね。ジンくんにとって僕はただのチームメイトだからなぁ。ちょっと悔しい。

「あ、ユウヤ!拓也さんが呼んでるよ」

「っえ!ああ、うん。わかった」

残念だなぁ…せっかくジンくんと二人っきりだったのに。わざわざバンくんが呼びに来てくれたってことは、今からバンくんはジンくんと遊ぶつもりだな…。うーんまたハンデができちゃう。まぁいいけどね。しょうがないし。

「わざわざありがとう」

「いやいいよ」

「バンくん、ジンくんは渡さないよ」

すれ違いざまにそう呟いて僕は部屋を出た。ジンくんにはもちろん聞こえないような声だったし。バンくんもこれで少しは焦るかな。ふふ。僕も拓也さんのお話が終わったらジンくんにもう少しアタックしようかな。
でもバン君が来た時、ジンくんがちょっとうれしそうだったのは…気のせいだよね??

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