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□たまには違った
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僕、気づけばジンさんのことを目で追ってます。みんなにはバンさんのことが好きね。なんて言われるけど、そうじゃないんです。バンさんのことは尊敬。ジンさんに対しては……なんだか特別っていうか。前にユウヤさんにそのことを聞いてみたらそれは恋だよって言われて。それからずっと考えててジンさんを見てて…なんだかほんとに…僕、ジンさんが好きだぁ…!って。

「ジンさんっ」

「ヒロ?」

それで、僕、勇気を出して告白したんです。そうしたらびっくりされたけど、いいよ。って言ってくれたんです。もう僕嬉しくって、そのまま抱き着いちゃってジンさんに怒られちゃいましたけど、これから一緒にいられると思ったら僕、本当に幸せ者です。今日のジンさんも可愛いなぁ…。

「あの!今から一緒にセンシマンのDVD見ませんか?」

「…い、いやそれは遠慮しておく」

「あ、じゃあお昼寝しましょう?」

「わかった」

僕も少し眠たかったんだ…。とあくびをかみ殺すジンさんを見て可愛いと思った。でも僕、ジンさんを見て可愛いか、好きかしか思考が働いてないです!…もう自分でも引くくらいジンさんにぞっこんです!そんなこと本人の前で言ったらきっとドン引きされるんですよね…。

「ジンさん一緒に寝ません?」

「でもみんなにばれたら…」

すみません。もうみんな知ってるんです。知らないのはジンさんだけです。そんなところも可愛いです。ああまた可愛いって考えてる。だからみなさん、僕たちが一緒に寝ているところを見ても何も驚かないと思います…。

「大丈夫ですよ〜」

「それならいいんだが…」

さぁどうぞ!とベッドに寝転がって掛け布団をめくってみると、ジンさんは恥ずかしそうに僕のベッドに入ってきた。うわあ華奢だなあ。普段は肩幅が広いシャツを着てるからかそんなことは感じませんでしたが…本当はこんなに細いんですね…ああ僕が守らなきゃ!!

「ジンさん細いですね」

「ヒロには言われたくない」

「いや僕より細いですよ」

なんて雑談してたら、ジンさんから返事が返ってこない。ふと顔を見るとすやすやと寝息を立てて眠っている。まつ毛…長いなあ。色白だし整った顔が本当にきれいで…。息を吐くたびに少し揺れる前髪はさらさらで、余計にドキドキして。ジンさんの薄いピンクの唇にキスしたいな…なんて考えて、首を振る。そんなことしたらジンさんが起きてしまうかもしれない。そうしたらこうやって無防備に眠るジンさんをまじまじと見れる時間も終わってしまう。でも…キス…。そんな葛藤を自分の中で繰り返す。でもそんなことを考えている間に時間はすごいスピードで流れてしまってるんですね…。ジンさんが伸びをして起きてしまった。

「おはよう…」

「お、おはようございます…」

うわわ、僕のばか!こんなことになるならキスしとけばよかった。キスしないにしても、しっかり寝顔を目に焼き付けておけばよかった。
あとで違うシチュエーションでさりげなくアタックしてみようかな…。こんなにたくさんのこと考えてるのにやっぱり声に出せない僕ってへタレなのかも…。


fin.

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