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□俺も想ってるよ
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「バンくん、明後日どこかに出かけないか」

「あー…ジン?たしか明日も一緒に出かけるよね」

「?そうだが」

何食わぬ顔で言ってるけど、俺の週末の休みは全てジンに費やされてるんだよ。まぁジンもジンで俺に週末は費やされてるんだろうけどさ。俺もたまには一人になりたいっていうか…ね?わかるでしょ?だってジンはずうっと俺と一緒にいてくれるし、なんでも相談にのてくれるし、本当にいいやつだし、ジンが俺を好いてくれてるのはわかってるけど、その…なんて言うかまだキス以上のことはやらせてくれないし…。溜まるし…。とにかく!俺だって一人になりたいの!

「い、いや日曜はいいや、明日でいいじゃん」

「そうか…」

「そ、そんな悲しそうな顔するなよ!明日にその分楽しめばいいだろ?」

「僕はバンくんと一緒にいたいよ」

「ありがとう、でも日曜は出かけないよ」

そう断言するとジンも諦めたのか帰る用意をし始めた。言い忘れてたけどここは学校だ。周りのみんなは俺たちがこんな関係にあるって知らないから、ジンと話してる時は本当にヒヤヒヤするよ。バレるんじゃないかってね。

「さ、帰るよ、ジン」

「明日が楽しみだよ」

今日は金曜日。学校からの開放感と、明日ジンと出かけられるのでウキウキしながら帰る。あーはやく明日になればいいのにな!日曜日は…ひとり静かに部屋にこもるけど…。

「ジン、また明日ね」

「ああ、明日また迎えに来るよ」

「いいの?じゃあ待ってるね」

「ああ」

ジンはそう言って俺と別れた。明日はどこに連れて行こうかな。それともジンに何かプランがあるかもしれない。とりあえずジンが好きっていてたたこ焼きでも食べれるところ探しておこう。おでんもいいかもね。

「バンー手洗ったらちょっと手伝ってー」

「あ、はーい!」





そして翌日。朝とも昼とも言いにくい時間にジンはやってきた。俺はジンと駅に向かってとりあえず都会に出れる方の電車に乗った。その電車の中でジンに今日はどこに行きたいかを聞く。

「僕はトキオシアに行こうかと考えていたんだけど、バンくんはどこかに行きたいのかい?」

「トキオシア!いいね!」

「それからどうしようか」

「そうだな…その時考えればいいんじゃない?」

「そうだね」

そんな他愛もない話をして俺たちはトキオシアに向かった。
トキオシアではLBXのパーツを見たり、お揃いのストラップを買ったりして、本当に楽しかった。そろそろお昼どきという時に俺はたこ焼きに誘ってみると、ジンにしては嬉しそうな顔をしてくれたから、調べてきて正解だったと心の中でガッツポーズ。嬉しそうな顔をする時のジンはやっぱり可愛いよ。

「美味しいね」

「ああ」

「これからどこ行こうか」

そう投げかけた質問に対する答えが返ってこなかったから、フッとジンの方を見た。するとなぜかジンは俯いてる。どこか痛いのかと思って、慌ててジンの肩を引き寄せる。

「そうしたの?どこか痛い?」

「ん…バンくん」

俺のしていたマフラーを引っ張られて、ちょうど他の人たちの死角になるように唇どうしが触れ合った。そして、離れる。俺はびっくりしてジンを見つめる。まさかジンからこんなことをしてくれるだなんて。明日のいいオカズになりそう…。それにこんなに顔を赤くしたジンは普段見れるもんなじゃないしね。

「びっくりした…」

「い、や…だったかい?」

「ううん。すっごく嬉しいよ」

「なら…僕と…この続きをしないか…」

「…………へ?」

続き?って……キスの続きってことは…。ガタっとその場を立ち上がる。ジンの腕を引いて走った。母さんにはジンの家に泊まるとでも言っておこう。走って、ホテルに連れ込んだ。あ、明日のために一応ゴム買ってて良かった…。

「バ、バンくん…!」

「ジン、俺、今、すっごく嬉しいんだ!ジンにそう言ってもらえて!」

「僕も…嬉しいよ」

「俺だけかと思ってた。ジンに触りたいって思ってるの」

「うん」

「好きだよ」

「とりあえず…お風呂に入らないか」

「……そうだね」



fin.

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