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□史上最強友人A
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いつもの日常だったはずだ。
いつも通り、ちょっと天然の可愛らしい友人、加奈子の頬をぷにぷにして癒やされながら数ヶ月前に不審者が出たらしい公園を通っていた。

…なんでこんな所にいるんでしょう?

…そうだ。黒いジャージを着た不審者らしきオジサンに追いかけられて、加奈子がコケて、こりゃあ不審者を一発koするしかないかと腹をくくった時に黒い穴に加奈子が吸い込まれたのだ。
不審者は腰を抜かしながら逃げ出して、私が穴を覗いた時には加奈子は片足を向こうに見える光に突っ込んでいた。
どうも放っておけない友人の為に私も飛び込んで、きっとブラックホールに吸い込まれたらこんな感じなんだろうなぁとか思いつつ、流れに身を任せた。

そして自分も穴の向こう側に入って−

現在に至る。

はい、現在の状況確認。気絶している友人一人。超美形の青年一人。
油ギッシュなオジサン一人。
周りは大理石みたいな石で作られている神殿のような所。
よくありがちなローブを着た人々や髭をたくわえたおじいさん、羽を持った美形はいない!
ギリギリセーフ!

さて、ここはどこ?

『ここは、lv.7のグデレヲノフ神殿だよ。』
あ、そうですか。ご親切にどうも。
『いえいえ、お気遣いなく〜。』
…ってお前誰だよ!
心を読むな!
『いや〜、軽く謝罪しにね?』
謝罪?
『君、巻き込まれたでしょ?だから勇者の力、上手く入らなかったから、力ずくで入れてみたらちょっと強すぎて…あの子、すごい事になったんだよね〜』
おかげで減俸だよ。とかほざく半透明の兄ちゃんにめちゃくちゃ切りかかりたい。だれか、竹刀持ってない?
『ごめんごめん。』
軽っ。やべえ、まじ怒りが収まらん。
『まあ、だから君には僕からの贈り物としてイイモノ用意しといたから』え、イイモノ?金?
『やりようによっては一生使える財布だね?そちらの彼女にも用意しといたから〜』
それはどうも〜
ってか、周り静かすぎない?
『あ、めんどいから時間止めてるんだよね。気にしないで』
じゃあ、健闘を祈る!とかのたまいながら半透明男は消えていった。

まじでイラつく。
「勇者は、どちらですか?」
時間はそんなに経っていなかったはずなのに久しぶりに聞いたような気になる空気の振動が耳に飛び込んできた。
真っ直ぐに私を睨むと、こちらにやってくる。

殺られる…!!

喉が女子高生あるまじきぐるるっと音を出すのも気にならない。
「勇者は、どちらですか?」
「…あ、あちらです…」加奈子の方を指さしたらまだ気絶している加奈子をどこからか大量の侍女っぽい人が現れて、運んでいった。
引き続き私を睨み付けている美青年から目を離せない。恋愛感情じゃなくて、恐怖でドキドキが止まらない。
静まれ〜、突然バッサリは無い…だろう。
「じゃあ、貴方は?」
「た、ただの…友人Aです…」
なるほど…と呟く美青年。な、何もしてないよね!!?
「貴方の名前をお聞かせ願えますか?」
いくらでも教えるから、殺さないで!?
「里雨 凛です!」
「では、リン。」
はい、何でしょう?


「私と、
夫婦になって下さい」


いきなりすぎるだろ!
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