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□史上最強勇者B
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どんよりとした雲が私を呑み込んでしまいそうだ。
城に残してきた友人を思い出してため息をついた。
何だかんだ言っても美形に言い寄られて悪い気はしていないらしい。
私ならあんなの嫌だけど。
友人にだけには確かに最上級の男。
他の人には南極よりも北極よりも冷たい態度はまぁ、自分の友人への愛を充分感じさせるモノだった。
…好感度は上がってたわよ!今日突然、「魔王どうにかしろ」って放り出されるまではね!
今の私は最強に機嫌が悪い。
いける。
今ならこのまま、魔王なんて一捻り。赤子の手より簡単だ。
魔王城の前に立つと門扉を叩いてできる限りの大声で言った。
「たのもー!」
‥‥勇者だって、人間だもの。
正々堂々といきましょう。
恥ずかしいのは言わない方向で。