猫様とご主人さん

□6
1ページ/6ページ

それからは、人生が変わった。

住む場所も学校も変わって、戸惑わなかったといったらウソになる。
しかし、それを苦に思ったかというとけしてそうではなかった。

まだ着慣れない新しい制服を姿見で確認した。
青のブレザー、スカートに赤のリボン、白ブラウス。お洒落なわけではないが品がよくみえ、アレンジのしやすさとアレンジを全面的にゆるす校風が人気の制服だった。

多少(いや、かなり)最近のことに疎い姫佳が知っていたのだ、全国的に認められた存在であると思っていい。

腰を軽くこす長い髪をまとめようと格闘しているとどこからか憐夏(レンゲ)さんが現れて、あっという間に結んでくれた。

「あ、ありがとうございます…」

内心慌てふためいて言うと憐夏さんはにっこり笑って言った。

「いえ、勿体無いお言葉でございます。」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ