♪Dream-short-♪

□翼
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君はまるで、
純真無垢(じゅんしんむく)な天使
輝きを放って飛び回る

私はそんな君を見つめていた…







学校での変わらない日々。
今日も、それは変わらない。
私の習慣も…

「また見てるの?」

私の友達が話しかけて来る。

『うん。』

目線は反(そ)らさず、返事をする。

「そんなに好きなら、告れば?」

『別に好きなわけじゃないよ。ただ、見てるだけ。』

はぁ…と言う友人の溜(た)め息。私はそれをスルーして、前を見つめ続ける。

私の習慣…
それは、1学年下の男の子をただ見ること。
その子の名前は“鏡音レン”君。可愛いと評判で人気者。

今日も、廊下の窓から見ていた。

(ホントに天使みたい…)

可愛らしい真っ白な少年の笑顔
太陽で煌(きら)めく金髪
白い肌

私には天使に見えて…
いつの間にか、目が離せずにいた。






放課後。
私は昼休みに友人が忘れて来たポーチを取りに、屋上へ来ていた。

(私に頼(たの)まないで、自分で行けっての。てか、帰ってから気付くとか乙。)

心の中でブツブツと文句(もんく)を並べながら、忘れ物を探す。

『…で、何でないわけ!』

声に出して、悪態(あくたい)をつく。

「あの…」

『何?…っ!』

遠慮がちな声に振り向けば、私の習慣の対象となっていた…
鏡音レン君がいた。

「あの…コレ!」

『…あ。』

そこには、探し求めていたポーチがあった。
なかなか話し出さない…てか、黙っていた私に、痺れを切らせたのか、鏡音君が話し出す。

「授業の間の休み時間に来たら、これがあって…職員室に行くにも授業があったし、放課後に探しに来るかなって思ったから…」

視線を下に向けてしまう。
私はいたたまれなくなり、

『ありがとう、友達のなの。助かったよ。』

とだけ伝えた。
すると、顔を上げてあの笑顔。見惚れてしまう。

「来た時、怒ってたから、僕のせいかなって思っちゃって…でも良かった!役に立てて!」



なんて純粋(じゅんすい)なんだろう…

そう思った。

ポーチを受け取り、改めて感謝の言葉を述(の)べる。
笑顔で どういたしまして と返された。

『?』

直ぐに帰ると思ったのに、鏡音君は、一向(いっこう)に動こうとしない。
それどころか、モジモジとしてたまに私の顔を見ては視線を指先に下ろすを繰り返している。

『何か、私に言いたいことでもあるの?』

コクンと頷(うなず)かれる。

『何?』

「あの…名前を教えてください…」

『私の?』

「…お願いします…」

心意(しんい)はわかんないけど…
名前を教えるなんて、減るもんじゃないし教えることにした。

『九条 黒姫。因(ちな)みに、君より1つ上の学年ね。』

「黒姫先輩って、呼んでもいいですか?」

『どうぞ。』

「ありがとうございます。
僕は、鏡音レンです。
…って、学年のことを知ってるから、僕のこと知ってましたか?」

『うん。知ってたよ。』

見てたとは言えない。
イタすぎる…

「先輩と仲良くなりたいです!」

『へ??何で?』

「えっと…ダメですか…?」


『だ、ダメじゃないけど…』

「やった!」

鏡音君の顔は満面の笑み。
私は苦笑い。

何が何だか理解不能のまま、鏡音君とは仲良くすることになった。

楽しそうに嬉しそうに出口に向かう鏡音君がこちらを向く。

「先輩!」

『…っ』

私は君を見つめるしか出来なかった。

「明日、先輩とお昼食べたいです!お話ししたいです!いいですか?」

『…うん…』

「約束ですよ!」

『うん…』

君の背中に白い…真っ白い翼が見えた…

そして、私は気付く。
君のことを好きなんだと。

たとえ、この想いが届かなくても

君は私をその翼で連れていってくれる気がした…―





君はまさに天使







アトガキ

う〜ん…
何か話の筋が通ってない…?
精進せねば…

ではでは〜♪


 

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