短編
□モフモフもふもふ
3ページ/4ページ
峠の方に着くと、あの少年の姿をソロは見かけた。
ソロ「ん…?あ!」
その少年は、以前ソロが試験時に戦った、怪鳥・ガルーダと対峙していた。
?「『氷樹』!」
地面から樹形の氷を発すると、その氷に接触したガルーダは、消えていった。
?「…襲って来る方が悪いんですよ…。」
ソロ「うわぁ…。凄い…。」
すると、少年はソロに気づいた。
?「あなたは、先程の……?まさか、ポッポの言っていた、アドリビトムの方ですか?」
ソロ「あ、うん、そうなんだ。僕はソロ。よろしく。」
ジェイの言葉に少し動揺しながらも、正直に自己紹介するソロ。
?「そうですか、それは失礼しました。」
一礼してから、少年はソロのほうに体を向ける。
ジェイ「初めまして、僕がジェイです。モフモフ族のみんながお世話になっているそうで。ポッポ達のお願いでもあるので、僕もあなた達に協力しますよ。よろしくお願いします。」
ソロ「うん。(よかった…案外普通に通ってくれた…。)」
リオンのように突然襲い掛かってきたり、フレンのように主を連れ帰ろうとせず、純粋にメンバーに加わるものを見るのは、ソロも久しぶりであろう。(笑)
ジェイ「それにしても……。」
ソロ「ん?」
ジェイは素朴な疑問をソロにぶつける。
ジェイ「よくぼくがジェイだとわかりましたね?セネルさん達ですら、一度で僕をジェイだと見抜くことは出来なかったのに。」
ソロ「Σあ…!!え、えっと……その…。」
ジェイ「何ですか?はっきり言って下さい。」
ソロ「そ、その………
身…長……。」
まるで蚊の鳴くような声でソロがぼそりと呟く。しかし、少年が聞こえるには十分だった…。
ジェイ「……え、身長?」
ソロ「う、うん…。」
確認を取るかのような輪唱に、思わずうなずくソロ。しかし、時既遅し。
ジェイ「……それ、誰から聞いたんですか?今の話と身長のことは、何の関係もないでしょう。それとも、アドリビトムには加入条件として、身長制限でも設けられているんですか?」
ジェイが少々膨れ面で淡々と言葉を並べる。誰もがわかる。彼は今不機嫌だと。
ソロ「そ、そんなことはないよ!?小さい子や、動物だって、入ってるわけだし…。(汗)」
ジェイ「ぼくは子供でも、ましてや動物でもありません!(怒)」
フォローのつもりでいったソロの言葉は、逆にジェイの沸点を上げた。(笑)
ソロ「あ、えと…ごめんなさい…。(汗)」
ジェイ「もういいです。お話でしたらそちらで伺います。さあ、バンエルティア号へ案内して下さい。」
こうして二人の少年は船に戻ることに。