短編
□不埒な悪漢を倒せ!
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アンジュ【多分、相手は単なるゴロツキの類だから、追い払うのに苦労しないと思うけど、もし危なくなったら、無理をしないで戻ってきてね。】
ソロ「って言ってたから来たものの…。」
ソロが来たのは、雪が降り積もる霊山・霊峰アブソール。
ソロ「こんなところにゴロツキだなんて…ホントにいるのかなぁ…?」
そう言いながらどんどん奥に進む。すると…。
「チッ!おい、向こうへ逃げたぞ!!」
ソロ「?」
突然ソロの左方向から声が聞こえた。それに反応してソロは左に顔を向ける。
「回り込んで囲え!畳み掛けろ!!」
そこにいたのは、雪山だと言うのに、半袖の装束、右手には湾曲刀、そして盗賊の証でもあるバンダナをつけた、見かけだけで「自分たちは盗賊です」とでも言っているような男たちがいた。
そしてその男たちは何故かどこかに行ってしまった。
ソロ「もしかして今のが…例のゴロツキかな…?」
すると、ソロの前方に影が。
ソロ「え?うわわわっ!?」
すると、ソロが後ずさりした瞬間、突然何かが着地した。
そこには、青と黒を基調とした服装で、腰には剣。
身体には何故か、ラインを強調するような黒いタイツを着ていた少女だった。
「ふう、撒いたか……。」
少女は、一息吐くようにそう呟く。
ソロ「な…何なの…?」
「!!お前……何者だ?あいつらの仲間か…?」
ソロの声に反応した少女が、腰の剣を抜き取って、ソロに突きつける。
ソロ「ええ…!?あいつらって…?」
いきなりのことに戸惑うソロ。尋ねようとした時…。
「おい、そっちにはいたか?」
「いや、こっちはダメだ。向こうも探してみるぞ!」
先ほどの男たちの声が響いてきた。
ソロ「(今の声、さっきの…?)」
ソロがそんなふうに心で呟くと…。
「くっ……、次から次へと!おい、お前!次に会ったときはこうはいかないからな!」
ソロ「へ…?」
すると少女は剣を収めて、頂上の方へと走り去っていった。
ソロ「何だったんだろ…今の子…。」
ソロはいきなり起こり過ぎた急展開に困惑している。すると、また声が聞こえる。
「おい、いたぞ!頂上の方だ!」
その男たちは先ほどのゴロツキだとソロは確信する。
ソロ「あ、そうだ、こんな事してる場合じゃなかった!」
当面の目的を思い出し、おそらくゴロツキが向かったであろう頂上にソロも足を向けた。