短編

□不埒な悪漢を倒せ!
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ソロ「ちょっちょっと待ってって!!」

ソロは両手を出してそう言う。しかし…。

「黙れ、悪党!『散沙雨』!」

ソロ「!?」

連続突きを繰り出す少女の攻撃を、ソロは瞬時に剣を抜き出して抵抗。すべて防ぎきる。

ソロ「ふぅ…。」

「な!?ならばこれはどうだ!『疾風閃』!」

次に少女が出したのは、素早く移動しながら突きを繰り出す特技。

ソロ「うわっと!」

しかしソロはこれも防ぐ。

「(まただと!?)こうなれば…!」

二度も攻撃を防がれた少女は、次の攻撃に移る。

ソロ「だ、だからちょっと待って…!」

「言い訳をするな!『魔神剣・絢舞』!!!」

ソロ「!!」

少女はソロの言葉を気にも留めず、ソロの懐に潜り、強烈な斬撃を繰り出す。

ソロ「うわぁ!!」

その攻撃をかわせなかったソロは吹き飛ばされる。

「まだだ!『空裂斬』!」

さらに追い打ちを掛けるように、突き刺した剣を軸に連続蹴りを放つ。

ソロ「!?(カノンノの空蓮華に似てる…!?)」

体勢を立て直してその蹴りを防いだソロは、カノンノが繰り出す特技と、今の特技が似ていることに気づく。

「はぁ!『神風閃』!!『霧沙雨』!!!」

ソロ「がっ…!!」

次に、素早い突きで近づき、連続攻撃する秘技と、散沙雨と秋沙雨を組み合わせた奥義を続けて繰り出され、さすがに防ぎきれなかったソロは、そのまま後ろに跳ね飛ぶ。

ソロ「はあっ…!はあっ…!(駄目だ…全く聞いてくれない…!)」

「はああっ!」

ソロがそんな風に息を切らしていると、またも少女が跳ね飛んで斬りかかる。

ソロ「!!」

ガギン!!と音を鳴らしながら火花が散り、三つの剣が交差する。

ソロ「っ…!」

「悪党にしては…中々の剣術だな…!!」

それは言葉通り、ただの悪党が身につけられるものではないソロの剣術を、認めていたということだ。だが、実際彼は悪党じゃない。

ソロ「だから…!!悪党じゃ…!!」

ソロがそう言おうとするが、少女は全く聞かない。

「問答無用っ!!」

ガギン!と言う金属音と共に、三つの剣がまたも火花を散らす。

「たぁ!!」

ソロ「っ!!」

少女の剣が、ソロの頬を掠めた。

「そこだ!」

少女が再び斬りかかろうとする…が。

ソロ「くっ!『瞬迅剣』!」

「!?」

ソロの咄嗟の判断、行動に予想できなかった少女は、受け流して後ろに跳ね飛ぶことで精一杯だった。

「…ようやくその気になったか…この悪党め…!」

少女は再びソロを睨む。

ソロ「…だから僕は…!―「だが!もうここまでだ!」―…!!(やっぱり聞いてくれない…!)」

ソロが再び弁解しようとしたが、やはり少女は聞き耳を立てない。

「おまえは、次の攻撃で私に倒されるのだからな…!」

少女はソロに剣を向けてそう言った後、小さく深呼吸をして…。

「この私を…












本気にさせたのだからな!!」

ソロ「!!?」

そのセリフと同時に、、オーバーリミッツを発動させた。

「はああぁあああ!!」

ソロ「っ!!」

深く積もる雪を駆り、少女はソロの懐に入る。

「『幻晶剣』!『魔神剣・双牙』!!『虎牙空裂斬』!!!」

これまで以上の怒涛の攻撃に、ソロは二本の剣を弾かれてしまう。

ソロ「っ!?しまった!!」

それを好機と思ったのか、少女はすぐに畳み掛けた。

「覚悟を決めよ!」

剣を神速の速さで動かし、魔神剣にも似た衝撃波をソロに何度も叩き込む。

ソロ「う…ぐっ…!!」

更に少女はすかさずソロの懐に剣を突き刺す。

「あらぶる心、無風なる水面のごとく、静まれ…。









斬るっ!」

懐から出たと思いきや、すかさず眼にも止まらぬ速さでソロを斬り抜く。

「我が剣の前で、安らかに眠るがいい…。」

そう言って剣を振ると、ソロに再び斬撃が襲いかかった。

ソロ「…がっ……はっ……!!」

恐らく、少女の秘奥義であるこの技をまともに受け、ソロは前のめりに倒れてしまった。
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