04/01の日記

22:07
何が嘘?何が本当?
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嘘をつくことには馴れていた。
いつしか特技といえるほどに、自然な、虚偽と真実を織り混ぜた嘘をつけるようになっていた。
嘘をつくことは、生きていくにはとても便利な逃げ道だ。
いつか代償を払うはめになるけれど、一時は苦しみから逃れられる逃げ道だ。
逃げて逃げて逃げて後ろを振り返ってまた逃げて、もうどこにも行き場がなくなるくらい、俺は嘘をついてきた。
でも、だからこそ嘘が悪いことだと思えない。
誰だって嘘はつくだろう?
人を守る嘘、欺く嘘、夢を見させる嘘、殺す嘘。
様々あれど嘘は嘘。
根底は何も変わりはしない。
俺の嘘はなんだろう。
考えずともそんなもの、なんだっていい。
なんであれ嘘をついているという事実があるだけだ。
それに、人によってはいつか罪悪感だって消え失せる。
人間はなんにでもいつかは慣れるのだから。
嘘は好きだ。
俺を守ってくれるから。
けれど、嘘をつくことに馴れていく自分だけは、どうしても好きになれなかった。
その理由は、多分後ろめたさ、後悔、暖かな愛情、残酷なまでの優しさだ。
俺は、罪悪感を捨てきれていないのかもしれない。
そうだとしたら、俺はとんだペテン師だ。
暖かい愛情に包まれて過ごしたせいかもしれない。
愛情を知ってしまったら、それに背くのは心が痛むのだ。
兄らは嘘だと知っていても何も聞かずに騙されてくれている。
それがよけいに俺の心を深く、容赦なく抉るのだ。
いつだったか坊のために怪我をして、でもそうだと言いたくなくて転んだと嘘をついた。
泣きたいのにそれを我慢してへらりと笑った。
そんな言葉を聞いた兄らは、全部わかった上でちゃんと前を向けと、こんな場で笑うなと言ってくれた。
家族の優しさは嬉しくて、でもやっぱり辛いんだ。
だって、みんな揃って悲しそうな、泣きそうな顔でくしゃりと笑うんから。
ごめんなさい、と、なんど呟いただろうか。
誰にも聞こえない、懇願ともとれる許しを求める言葉。
それはいつしか数えきれないほどの数となり、山となり、徐々に心を潰していく。
みしり、みしり。
嘘を一つつくたびに、山は嵩を増していく。
心は悲鳴をあげていた。
俺は、それすら偽って笑い続けた。
そして、嘘をつきすぎた俺の心はいつの間にか本当を無くした。
もう何も分からない。
何が本当で何が嘘?
事の真偽すら分からなくなった心だけれど、心のどこか片隅に残っていたのであろう正常な心が泣いている。
本当に悲しいから泣いているの?
もう、それすら分からないんだ。
だから、助けて。
誰か教えて。
俺の心を。

本当を。





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日記でぼやいてたシリアスエイプリルフール
エイプリルフール関係なくね?

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10:14
金造様の四月馬鹿
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エイプリルフール。
それは、ツンデレの言葉をポジティブ補正がなくとも、社会的補正で全てデレに取れる素晴らしい日である。
そんなわけあるかという定義であるが、ここ志摩家にはそんなおめでたい思考を持つアホがいた。
アホの名は志摩金造。
志摩の四男。
兄離れも弟離れもできないただのブラコンかつアホだ。
そんな金造は今、唯一の弟である廉造の部屋へと向かっていた。
理由は単純明快。
普段金造相手にはデレを見せてくれない弟のもとへ赴き、その言葉をいい風にとってやろうという魂胆だ。
寝ずに考えた作戦―――忘れないように紙に書き出してある―――を実行するためだ。
寝ずに考えたという、金造は素晴らしいと思い込んでいる作戦はこうだ。
まず、普段通りに廉造を起こす。
そして、いつものように廉造が金造を罵倒してくれればそれで目的は達成されるわけだ。
むふふ、と悪大官顔負けの笑みをこぼし、廉造の部屋の襖に手をかけ、勢い良く開く。
「れんぞー!朝や、ぞ…?」
威勢の良かった声は次第に小さくなり、最終的には疑問文になってしまった。
それもそのはずで、常ならばまだ寝ている廉造はおらず、それどころか、布団すら綺麗に畳まれ片付けられていた。
「え?え、廉造?れんぞー」
いないという事実がうまくのみこめず、部屋を荒らすが箪笥の中や机の引き出しに廉造がいるはずもなく。
あわてふためく頭で、叫んだ。
「じゅ、柔兄!廉造がおらん!」
「はっはー。なに言うとん?廉造なら居間やぞー」
「は?」
居間、廉造。
その単語だけが頭の中をぐるぐる回る。
あいつ居間にいんの?まだ6時だけど?
そう考えて、合点がいった。
実はこの行事、毎年恒例のいやがらせ行為なのだ。
さすがに廉造も学んだのかまっさきに避難をしたのだった。
一番の安全地帯、父と兄がいる場所へと。
それもこれも、毎年変わらぬ手法で廉造に罵られようとする金造のアホさ加減による失態だ。
「あんの…どあほぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」




「なーなー、お父、柔兄」
「んー?」
「どないしたん?」
「二人とも大きらいや」
ぎゅー




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そういえば今日はエイプリルフールでしたね
ということで…なんだこれ

電車に乗っていられる20分くらいを有効活用してみました。
ごめんね金造アホアホ連呼して
でもね、それはそれで一個のすてーたすだよ
かわいいよ
でもエイプリルフールのことはそう思ってるんだろうなってわりと本気で信じてる。

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