05/10の日記

19:48
月の光は死の光らしいですね
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真っ暗な世界に、開けた空から覗く雲に隠れた朧月。
ただでさえ霞む月は、明かりを遮る雲によってさらに存在が消されていくようだ。
それでも、月はぼんやりと世界を照らし出す。
志摩廉造は、儚い月明かりに照らし出される庭の片隅に、何をするでもなく立ち尽くしていた。
月の光は死の光。
月の光のみを浴び続ければ不老不死になれるらしい。
反対に、陽の光は生の光。
浴び続ければ順調に時は進み、いずれ死ぬ。
人は生きていれば必ず死ぬというのに、光ごときで左右などされはしないだろうに。
それにしても…はて、どこで聞いたのだろうか。
首を捻るが疾うに忘れ去られた記憶が帰ってくるわけもなく、やはり思い出せなかった。
もやもやとした思いを感じながらも、どうでも良いかと考えを捨てた。
そして、何も考えずに一人空を見上げる。
これといって目的があるわけではない。
ただ、一人になりたかった。
今頃、彼の仲間は同じ部屋で騒ぎ合っているのだろう。
今日の昼に行われた簡単な実践訓練の打ち上げだ。
誰も怪我をすることなく好成績を収めたということで、教員主催のささやかな祝賀会が用意されていたのだ。
夏に行った訓練は、地の王アマイモンの介入により様々な置き土産が残され、成功を祝う余地すらなかった。
あのときは大変だったと思い出して廉造は笑う。
森が青い焔によって燃えて、故郷へ赴き長年明陀宗を縛り付けてきた悪魔の討伐。
その間にクラスメイトがかの魔神の落胤だという事実も告げられ、てんやわんやの数ヶ月だった。
廉造としては魔神の落胤―――奥村燐がなんであれ彼の人柄に引かれていたからかさして気にすることではなかった。
周りは違った。
憎むべき青い焔を継いだ燐を畏怖し、敬遠した。
あの忌むべき青い夜に愛する者を喪った者は少なくない。
奥村燐はあの夜とは関係ないと割りきれる者はそういなかった。






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ぶつぎり。
こんなお話が書きたいなっていうね
未来話になるんじゃないかなって思うけど、燐廉かな


最近浮気性でどうしようもない
aoex熱が…
もっと熱くなれよ!!自分!

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