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□距離…
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狩屋side







ねぇ…先輩……


俺、初めて人を……霧野先輩を信じれたんですよ…?


初めて信じれた人…霧野先輩なんですよ……?


それなのに………


……そりゃ、確かに霧野先輩には感謝してます。


先輩のお陰でチームに馴染めたんですから……。


……普通は、ここで先輩に感謝して終わりなのに……


…どーやら俺の心は…そーもいかなくて……


あっ、ほら。まただ……


ただ、キャプテンと話している霧野先輩を見ると胸が締め付けられる……


……苦しい……


……悲しい……


……悔しい……




所詮、どんなに頑張ったところで……


俺のこの思いは叶わないことで……


……だって、男の俺が、男の霧野先輩に…って……


……どんなに神様を憎んだって、仕方がないこと…


…そんなことぐらい、ちゃんとわかる…


…だから、責めて……


…学年が違うから、部活の時だけでもいいから……


……いっぱい…一緒に居たいのに……


……俺と話していても…すぐに居なくなってしまう……


すぐにキャプテンや他の人のところに行ってしまう……


……先輩と後輩……


……男と男……


たった、それだけの事なのに……


……どんなに近づこうとしても……


……俺が近づきたいところまでは……


……どんなに頑張っても…行けない……


…………遠い…ですよ……。


……霧野先輩……。




距離…
(近づきたくても…近づけない……この距離……)

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