姉弟

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…あたしは神様なんて存在は信じない。

もし、神様なんて人が居たらみんな幸せのハッピーのパッパラパァだ。

でも現実はそんな漫画みたいじゃなくて、

「…―――」

現に目をつぶりながら深く沈んでいくあたしとは対照的に口から出る酸素はボコボコと上へと登っていく。

こんな中でもアイツに包まれているみたいだ、なんて思いながら深い深い、深淵と同化した…――


そう、あたしは死んだ。


死んだ筈なのに、





「大好きだよ。姉さん。」

「黙らっしゃいぃい!というか抱きつくなぁああ!」

あたしはこうやって叫んで生きている。




























ホント、信じらんない。
あたしは目が覚めると知らない青白い女に抱かれていたのだ。そして、

「姉さんは恥ずかしがり屋だもんね。」

…そんなまぁ美人とは言い難い母さんから出て来るコイツを一番間近で見ていて弟か妹か…!、なんてこと思ったのが七年前でつい昨日のことのように感じる。


「姉さん?」


「…――はぁ、分かったわよ。一緒に寝れば良いんでしょ」

その後、母さんは死んじゃったし、そのまま孤児院に入っちゃったし、

ホント、神様なんて信じない!

こんな…こんな、トコに産まれるなんて、

「いや、絵本を読んでって言ってるんだけど…大丈夫?」


「…変わんないでしょーが。」

…でも、


この繋いだ手に会わせてくれたんだから、



神様みたいな、何かはあるんじゃないかって思ってる。




「そうだよね、絵本を読み終わったら姉さんはいつも僕の部屋で寝るもんね」


「だって自分の部屋に帰るのは面倒くさいじゃない」


なんだかんだであたしはきっとこの世界に救いを求めてる。

あっちの世界にはなかった救いを…












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