my diary
□プロローグ
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「うるせー!!黙ってろ!このマグル!!」
「あぁっ!」
私は至って普通の家庭に産まれた、至って普通の女の子だ。
「サクラを呼んでこい!サクラを!」
「!、あの子はっ…あの子だけは!」
「…何、父さん」
「!」
…そして、至って普通の…魔女だ。
「あぁ…サクラ、お前は綺麗だ…愛してる」
「……」
どこにでもある…至って、普通の混血の家庭…
「…あぁ、明日からホグワーツへ行くんだろう?…寂しくなるな…」
特別、なんかじゃない。住むところもあるし、ご飯もある。そして今まさに抱き締めてくる手だって……愛だってある。
…純潔やマグルの家庭が少ない中、私の家庭は混血だ。
普通の普通の普通の家庭だ。
だから、普通に挨拶だってする。
「…行ってきます。母さん」
「!、行ってらっしゃい」
でも、
優しく笑って私の長い前髪を上げて額にキスを送ってくれる母さんだけは私だけの特別で何よりも特別。
「…?あれ、」
ハリー・ポッターが乗っていない。
私は有名である彼を去年から観察していた。
いくら英雄の彼だって、普通の子だ…そう思って観察し始めた。…見事、結果はその通りだった。
彼は普通にスネイプの質問に答えられなかったし…答えられたらまさしく英雄だっただろう。
それに、彼は罰則になるくらいの校則違反を次々とやってのけたし…
何よりも、友達…親友がいた。
彼は英雄なんかじゃなかった…ありふれた少年だった。
例のあの人だって、額に傷がなくってきっと普通の少年なら、誰だって倒せると思う…
でも、彼にしか出来ないことだってある。矛盾してるようだけど、この矛盾があってこそ、一個人の形成となる。
しかし彼の場合は異様だった。
スニッチを飲み込んだことには…本当に度肝を抜かされた…
そろそろ列車が着き、
ホグワーツに来て二年目が始まろうとしている。九月一日、
私は何か起こりそうで洋紙類に綴りたくなった。
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