my diary
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「?、君は…」
首を傾げるのも無理はない。昨年私は彼に接触せずにいたのだから。
「サクラ・スダール…あなたのストーカーよ?」
「えぇ!」
なんの抑揚も付けずに真顔で言えば目をまん丸にしたポッターの代わりにウィーズリーが叫んだ。
「…勿論、嘘に決まってるから、ロナルド・ウィーズリー?」
「!!、何で僕の名前まで?!」
これだから人をからかうのは止められない…
「…あなた達は去年寮対抗杯を取ってくれた出来事を忘れたの?」
二人は首を真っ赤にするくらい顔が赤くなった。
「もう式は始まってる…って、聞いてないか…」
そんな二人を諦めて中を覗けば勢いよく揃って彼らも大広間を覗き始め、彼らの後ろに立つことになった。
「ちょっと待って…――――――」
何やら熱心に見ていたポッターだが、何か気付いたみたいだった。
「教職員テーブルの席が一つ空いてる……スネイプは?」
あちゃー…気付いたかぁ、と心の中でおどけてみても私は黙っていた。
だって、下手に何かを言えば隣にいる彼の私への評価が下がる…
「もしかして病気じゃないのか!」
「もしかしてやめたかもしれない。だってまたしても『闇の魔術に対する防衛術』の教授の座を逃したから!」
「もしかしたら首になったかも!」
…もしかしたら〜と続ける二人は中の様子に夢中で背後にいる人物の表情の変化に全然気付いていなかった。
「つまりだ、みんなあの人をいやがってるし――」
「もしかしたら」
冷たい声音にぶるりと震えた二人に声の主は口の端を釣り上げて続けた。
「その人は、君たち二人が学校の汽車に乗っていなかった理由をお伺いしようかと、ミススダールとお待ち申し上げているのかもしれないですな」
振り返って情けない表情を浮かべる二人にほくそ笑んでいるスネイプ先生。彼らには悪いが思わず吹き出しそうになった。
「ミススダールも、ついてきなさい」
「…はい」
震える声に二人は驚いてこちらを見、スネイプ先生は鼻を鳴らして歩くスピードを上げた。
大広間から遠ざかって行き、スネイプ先生の研究室に入れば早速二人の尋問が始まった。
「なるほど、」
「有名なハリー・ポッターと、忠実なご学友のウィズリーは、あの汽車ではご不満だった。」
ネチネチとやけに丁寧に話すスネイプ先生は明らかに二人を嘲っていた。
「ドーンと、ご到着になりた、」
「ブッッ」
「「!!?」」
強調した言い方に暴れ柳の件を思い出してしまい、思わず吹き出した私に二人はまたまた目を見開いてこちらを見て、スネイプ先生は相変わらずの無表情で無反応だった。
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