my diary
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「……何かおかしい所があるのならば是非ともお聞かせ願いたいのだが?ミススダール?」
「いえ、」
片眉を上げて見つめてくる先生の瞳は何も写していないが故に彼は怒っているのだと分かった。
俯いた私に先生は鼻で笑うと視線を更に鋭くし二人に向けた。
怯えた二人に途端に先生のスイッチが入ったのだろう。質問責めをしたり新聞を読み広げたりして、ほくそ笑んだり怒ったりと、とにかく表情をコロコロ変えていた。
対して二人は顔を青く白くと色を変えながらも絶望的な表情しか浮かべれなかった。
話も終わり、私は寮に帰って荷物の整理、先生はグリフィンドールの寮監の先生と…校長先生を呼びに行くために部屋を出た。
「…随分と、残念そうですな、ミススダール」
「…そうですか?
…では、寮はあちらなので…今日はこれで」
…はっきり言うと、至極残念だ。
「……あぁ」
寮監、マクゴナガル先生はともかく、校長のダンブルドアは絶対にポッターを退学にはしない。
…スネイプ先生の嬉しそうな顔や拗ねた顔が見られるチャンスだったのに…
本当に、残念だ。
そんなことを考えてトボトボと、歩いていると…
「!、」
「キャ…」
上の空だった私に私と同じ位の身長の…つまり生徒の誰かとぶつかった。
たぶん悲鳴からして女子であろう転んだ生徒を見た。
「…ごめんなさい!」
慌て起き上がってきた女子生徒はネクタイと同じような真っ赤な髪を持っていた。
…ウィーズリー…
その単語が瞬時に浮かび上がり、彼女が同じ赤毛の彼の妹だと理解した。
「…いいのよ、ウィズリー。私も悪かったから。」
「え、」
「……。大広間にいたんだから、知ってて当たり前でしょう?」
あ、と理解した表情を浮かべたウィーズリー(妹)に私は彼女は兄と同じ位からかう価値があると確信した。
…だが、今は自分の荷物の整理だ。
彼女に挨拶をして寮に帰ろうとすれば、
「!、待って。あ、あの…」
困惑した彼女は立ち去ろうとした私のローブを慌てて掴んだ。
「……」
黙って彼女の言葉を待てば、彼女は頬を微かに染めた。
「その…寮への道が、分からなくなってしまって…」
語尾を濁したが、かろうじて教えて下さい…と聞こえた。
…ウィズリー兄弟はどうしてこうもからかいがいがあるのだろうか。…あの双子は論外だが…
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