my diary

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再び現れたアルファベットは嘲笑っているかのようで、
ようやくこれが私の作り出した幻覚ではないことを知る。
途端に鼓動が速くなり、震える手でペンを走らせた。



―――あなたは…一体なんなの?―――

溶けてゆく疑問に答えの文字がスラスラと浮かび上がってくる。

―――面白い質問だね…僕が誰かではなくて、何か、を知りたいだなんて…いいよ。答えてあげる。僕は日記に閉じ込められた記憶だよ。―――


「………。記憶?
…記録とかけてからかってるの?…まぁいっか」


―――よろしくね。…日記さん!―――

―――!!、僕は日記じゃなくて、―――

次に文字が綴られてくる前に面倒くさくなりそうだと感じた私は視界から外して日記を閉じた。

…それにしても、

「良い掘り出し物が見つかった、かな…」

もう一度よく見れば、黒い表紙だから、汚れは目だ立たないものの酷く年期が入ったもので、かなりボロボロだった。


「これは…――不良品よりもたちが悪いかも、ね」

とんでもない物を奪ったかもしれないと今更ながら思うも、
まぁ…なんとかなるだろうと思い、視界を閉じる。

そして、いつも身に付けているロケットを握り締めていれば、いつの間にか深い深い眠りへと落ちていった。










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