my diary

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オマケ…


――最悪…いや、サイコーな午後だった!――


――…どうかしたのかい?――

乱れたアルファベットを書く持ち主に日記は楽しそうに文字が踊る。


――どっかの馬鹿がピクシー小妖精を解き放ったのよ!!――

――それはまた、ご苦労だったね――

イライラとした文面に日記は嘘臭い言葉を浮かび上がらせた。

――……あなた、笑ってるでしょ!――

サクラは顔を赤くしてそう綴った。


――どうして?第一、僕は君の言うとおり日記であって、表情は勿論、感情さえも持ち合わせてないよ。思考と知識だけの僕がどうして笑えるんだい――

淡々と浮かび上がってくる文字に悪意を感じたサクラは頬を引きつらせた。

――もう良いわ!…そうだ…あなたに一つ、良いことを教えてあげる――

話題を変え口元に笑みを作ったサクラに日記は気付かない。


――その馬鹿みたいな授業は、妖精の魔法じゃなくて、防衛術の授業よ――

…………

――……はぁ!?――

初めて驚嘆を示した日記にサクラは吹き出すが日記は当然、知る由もない。


――しかもお昼に私があなたに愚痴った、先生みたいな人の名前、ギルデロイ・ロックハートって名前らしい…今日の防衛術で言ってたわ!――

――…………――

笑いながら日記を見るも文字は浮かんでこない。


――え、ちょっと…日記?――

予想以上の反応に少し焦ったサクラは微かに眉をひそめ呼びかけた。

――だいじょ――

――嘘をつくな!!!――

書いている文字が消え去り、見開き一ページを満遍なく使って返ってきた答えにサクラは思わずのけぞった。


――そんな馬鹿な話があってたまるか!!闇の魔術に対する防衛術の教授がそんな馬鹿で間抜けな奴である訳がない!!それは君の嘘だ!――


勢い良く吐き出されるかのような、いつもとは違う乱れた筆記体にサクラは目を見開いて固まるしかなかった。


――もし!!君の言うとおり、防衛術の教授がそんな阿呆だったら…だったら、だ!!あの老いぼれ爺は何をやってるんだ!?学校長になったんだろ!!とうとうイカレたのか!あの狸は!!!――

いつも辛辣な言葉を並べる日記だが、はたしてここまで激しく余裕がないのを見たことがあるだろうか?否!

サクラは自問自答した結果、慌てて日記を閉じた。


「…―――」

そして、もう一度ゆっくりと開けば…


――どうして…あんな奴が…クソ…――

「…物凄く感情が…御有りのようで…――」

沈んでいるかのようなアルファベットにサクラは少し罪悪感を感じ、こう書いた。

――Don't maid…――

――…止めてくれ、そんな言葉…
特に、君からは聞きたくない…――

そう返す日記がそれからしばらくの間機能しなかったのは別のお話…









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