短編
□拍手 log
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その1
「…アナタ、トム?」
いつものようにマグル狩りをしていると、懐かしい旧友に会ってしまった…
「……あぁ。だが、今はヴォルデモート郷だ。」
「じゃあ、アナタはッ!!」
それ以上何も言わない彼女に私は逆に何をしているのか尋ねた。
「……、日刊予言者で働いてるわ…」
「嘗ては同じ様にマグルを嫌ったというのに、お前は随分と丸くなったな…」
何が彼女を変えたのか、私には分からなかった…
「アナタも…随分と変わったのね…」
彼女は恐がらないものの、完璧な蛇顔を驚いて見つめる。
「ホントに変わって……」
じっくり顔を見つめてくる彼女…
「………………」
「あぁ!別にそんなつもりじゃ!!」
……どんなつもりだ
「だだだ、大丈夫よ!トム!アナタはまだイケるわ!」
は?
「私が協力してあげる!媚びうる新人!リータ・スキーターみたいにねつ造のオンパレードにはしないから大丈夫ッ!!」
……は?
「デフォルメ化するのよ!」
「でふぉ、るめ?………、」
本来の意味:酷くする、気持ち悪くする
「……ホゥ、」
「ちょっと!変な意味に捉えないで!ま、とにかく明日の新聞見てよ!四コママンガやってるから、私!」
そう言って彼女は去っていった……
翌朝…
「!、我が君が…予言者新聞を……」
「何!?」
死喰い人が囁く中、囁かれた本人は表情に影を落としている。
その様子に死喰い人は次々と新聞を取る。
いつもと変わらない嘘臭い内容が掛かれた本文に首を傾げるも、
「………、何なんだ、コレは…」
とある一人の死喰い人が見つけた。
鋭い赤い目をした色白の赤ん坊が駄々をこね世界を滅ぼす、という内容の四コママンガ。
題名は、
【ヴォルちゃん、大暴れ!!】
「………」
「………」
鋭い視線を浴びるヴォルデモートはハッと顔を上げる。
「アイツ…」
去り際になり興奮して微かに呟いていた彼女の台詞を思い出す。
……「コレは、コレはイケるッ!!!」
ヴォルデモートはもう一度記事を見て言う。
「……予言者へ行くか、」
「…は?」
死喰い人は一斉に言う。
「迎えに行くのだ、クビになった、アイツをな」
おかしそうに笑う我が君に死喰い人は更に首を傾げた。