NARUTO

□ねぇ。
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ねぇ、シカ。」
「どうした、ナル?」
いつもの俺だけの優しい声で答えてくれる。
「ううん。なんでもないだってばよ。何となく呼びたかっただけだってば。」
「そうか?」
少し心配した顔になる。心配かけているのは悪い気もちにもなるけど、自分の行動で最愛の人を動かしたっていうのはやっぱりうれしい。自然と顔がニヤける。
「なにニヤけてるんだよ。」
「なんでもないってば。」
まだニヤついている俺を見て、納得の行かない顔をする。
「だからなんだよ」
「なんでもないってば〜」
幸せを噛み締めていたらいきなりしかが俺の腕を引っ張った。 油断していた俺はすっぽりとしかの腕のなかにおさまった。背中に安心する優しい温もりを感じる。
「しか?」
「はぁ〜落ち着く」
のんびりと息を吐き出す。
「どうしたんだってば?」
「なんかこうしたくなった。
シカが俺の肩に頭をことりとのせてきた。甘えてきてるみたいで可愛かった。
「どうしたんだってば?」
「ナルがひとりで笑ってたから何となく妬けただけだ。」
少し拗ねたようにいう。
「なんであんなに微笑ってんだよ。すっげぇ綺麗だった。」
「それはシカのおかげだってばよ」
「俺のおかげ?」
「そう。シカのおかげだってば。シカと一緒だと幸せだなぁって思って。」
「それは俺もだぜ。」
「え?」
「おまえがいるから俺は幸せなんだ。」
「シカ……ありがとうってば…」
「ナル、愛してる。だから、心配すんな。俺がお前の幸せを守ってやる。」
いままでの分も。
「ありがとう。俺も愛してるってばよ。」

久しぶりの昼下がり、奈良家の縁側は幸せです。

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