NARUTO
□明日世界が消えうせようとかまわない
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明日世界が消えうせようと構わない。君がいない世界など、意味がないから。
―――そう、思っていた。
太陽は残酷に、平等に昇る。
俺をすべて拒絶している世界。
世界の住人が俺を認めようと、世界が俺を認めない。
俺を拒絶する世界。暗い空。
君とともに眺めた雲も、灰色の塊。
護りたかったまちは醜い喧騒の溢れ出るまちになった。
灰色の世界。
たくさんの慰めの言葉をかけられた。全てが俺の傷をえぐるだけだった。
水も食べ物も喉を通らず自分の体が日に日に衰弱していくのがわかる。
死ぬことがめんどくさいから生きている。
そんなとき、友達に怒鳴りつけられた。
左の頬が熱を持っている。
久しぶりの痛みは俺がまだ生きている事を自覚させた。
ソイツは俺の話をきくなり、俺の家に殴り込んできたらしい。
「お前まで死んじまったらどうするんだってば!?」
久しぶりに目にする色は金。
「残される哀しみはお前が一番しってんだろうが!!生きろってばよ!!あの人の分まで!向こうにいるあの人を安心させてやれよ!」
青くどこまでも澄みきっている空色の瞳に涙を溜めて叫ぶ。
「あの人の分まで生きてくれってばよ…もう、俺は仲間を大切な仲間を!!失いたくねェんだ!生きて…くれってば…」
初めてだった。そこまで俺を叱ったのは。
周りは俺に気を使い、叱らなかった。
俺のあまりの落胆ぶりに、俺が自殺するんじゃないかとハラハラしていたのだ。
その友達は、2年間まちからでていた。でも、こいつは一番欲しい言葉を俺にくれた。
生きろ。
お前を守れなかった俺に、生きていいといってくれた。
生きなくてはいけない。
お前を守れなかった罪の意識をもって。
お前の分まで生きなくてはいけない。
こんな状態で死んだら、気の強いお前にどれだけ怒られる事だろう。
また、「泣き虫君」と馬鹿にされるだろうか。久しぶりだった。
彼女の事を考えても辛くならないのは。
「ありがとな○○○。向こういってあいつに怒られんのもめんどくせェから、いきることにするわ。」
少しだけ世界に色が戻った。金色と、空色と、雲の色が