創作

□ニセモノ
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ここから飛び下りたら死ぬことが出来るのだろうか。

屋上でふと思った。

もう、うんざりだ。
教師に、先輩に、友達に、親に愛想笑い。
自分に嘘を吐き続ける毎日。

ホントの自分はどこに行ったのだろう。
教師に対する私。
先輩に対する私。
友達に対する私。
親達に対する私。

こんなにたくさん私がいるのに、
ホントの私はどこにも居ない。
みんな、
ニセモノ。

ニセモノはいらないよ。
世界はニセモノを拒絶する。
だけど、
世界はニセモノをほしがる。

だってそうでしょ?
「私には嘘をいわないで。親友でしょ?」
そういった子がいた。
「わかったよ。じゃあひとつだけ。」
「なあに?」
「私は人とは必要以上に馴れ合いたくない。」
「え…?」
「近づかないで。」
「…そんなの酷いよ!友達だと思ってたのに。」
「君がいえっていったんだろう?」
「だけど!言っていいことと悪いことがあるよ!」
ほら、
世界はニセモノをきらい、ニセモノを愛するんだ。
作られた平和を。

なら、それを壊そうか。
僕の命で。

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