贈り物

□最後にはまったのは?
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で・・・
着いたはいいけど・・・
着いたのは不気味な深林で
興奮したナツが一人走ってっちゃって
それを追いかけたエルザに頑張ってついてったけどエルザが速すぎてグレイとあたしは置いてかれて

『今にいたる・・・と』
「誰に向かって言ってんだ?」
『・・・読者?』
「いや、オレに問われても・・・」
『てか、ここ何処?』
「いや、オレに聞かれても・・・」

さっきから同じことを繰り返しグレイに聞いてるけど

『そろそろこの会話にも飽きたわね・・・ハァ・・・』
「・・・」

呆れたような痛いものを見るよな視線でグレイはあたしを見る

『何よ・・・』
「いんやっ・・・何も・・・っ!?」

グレイの目付きが変わった・・・

「ルーシィっ!!」

グイッと腕をひかれてグレイの腕の中へ

ドンッ


大きな破壊音が響いて
あたしがさっきまでいた場所は大きくへこみ地面が少し割れているのがわかる

『(ゾクッ)』

グレイが腕をひいてくれなかったらあたしは・・・
そう考えると自然と冷や汗が流れる

[人間・・・美味しそう・・・ご馳走・・・]

得たいの知れない大きな怪物があたし達を見下ろす

『な、に・・・これ・・・』

大きさならバルカンとさほど変わらないだろう
けど・・・違う・・・っ
纏う雰囲気や力が圧倒的に違う

「チッ・・・どうやら依頼に書いてあった怪物みたいだな・・・っ」

そうだ・・・。これはS級クエストで怪物討伐の仕事だ・・・っ
あたしが足手まといになったらダメっ!

『獅子宮の扉っ!レオっ!』

咄嗟に鍵を手に取りレオを呼び出す

「王子様見参・・・っ!」
『レオっ!光で目を眩ましてっ!』

今はとりあえず逃げなきゃっ

「了解っ!」

レオが光を発するタイミングでグレイの腕を引っ張り走り出す

「お、おいっ!ロキ置いてくのか!?」

仲間思いのグレイはやっぱり

『大丈夫よっ!』

後ろを振り返り光がその場を満たしているを確認して

『強制閉門っ』

そのままグレイと走って逃げる・・・



―――――――

結構走って息も絶え絶えだ・・・

『ハァハァ、っ・・・ちょ、ちょっと・・・ハァ、休憩・・・』
「・・・」
『グレイ?』
「あ、いや・・・ありがとう、な・・・」

言葉とは裏腹に何か悩まし気で・・・

『どうか、した?』
「・・・お前を・・・守れなかった・・・」

は?

「逆にお前に助けられちまった。」

え?は?

『あんた、あたしの事助けてくれた、じゃない・・・』

そういうと多少目を見開くグレイ
こっちは真顔よ

「いつ」
『さっき』
「?」

本当にわかってないみたいね・・・(呆

『さっき怪物が現れたとき腕を引っ張ってくれたじゃない。あんたが引っ張ってくれなかったら・・・』

スゥと息を吸った

『あたしは今頃・・・死んでたわ・・・』
「っ・・・」
『だから・・・あたしの方こそありがとう・・・(ニコッ』

驚いたように瞬きしたあと一瞬迷ったあと呟くように言った

「あぁ・・・」

それだけなのに心の底から温かな気持ちになった・・・




 
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