贈り物

□惚れ薬恐ろしや
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『グレ〜イっVvv』

誰か…っ

『だーいっ好きぃ〜っ』

オレに状況を説明してくれ…っ


惚れ薬恐ろしや




時間は数時間前に遡る…―

『ちょっとグレイっ!聞いてよっ』
「あ?んだよ」

明らかにルーシィは怒っていて
その怒りの矛先がオレじゃないのは明らかだが、
なんとなく嫌な予感…

『それがね?
昨日の夕方家に帰ったら
またナツがあたしより先に家にいたのよ!?あたしのい・えっ!なのになんでナツが先にいんのよっ!?不法侵入よっ不法侵入っ!!
おまけに台所めちゃめちゃだしっ!!
あいつ片付けもしないで帰るから
片付けしてたら寝るの深夜2時よ!?
夕方に帰ったのになんで寝るの深夜なわけっ!?
おかげで眠いしっ!
それと…っ』

話を聞くとも言っていないのに話始めたルーシィ。
つかそんな一気に話されても
オレにどうしろと…

「……」

無言で此方を笑顔で見つめて(観察)いる
ミラちゃんに助けを求める

『うふふっ』

一度意味深な笑い声をあげて
ミラちゃんが口を開く

『ルーシィ喉乾いてない?』
『へっ?あー…、少し乾いてきたかも…?』

……いやいや
助けてくれんじゃねーの?

『じゃあこれあげるわっ
もちろんおごりよっ』

オランジジュース…か…ッ

『本当ですかーっ!?ありがとうございまーすっ』

満面の笑みでストローを口にくわえる
こいつ見てたら
なんつーか

「……」

仕方ないな…
って甘やかしちまうのがオレだよな…

「…たくっ」

かなわねーなー…
お前には…

『んく…っ!』
「ルーシィっ!?」

突然ルーシィが机に俯せになった

「おいっ!ルーシィっ!!」

すぐにルーシィの肩を揺すって
名前を呼び続けた

『ん…っ』

すぐにルーシィが目を開けて
オレは目を会わせた…
そしたら

『グレェ〜イ〜ッVvv』
「は…っ」

いきなり擦り寄ってきて抱き付かれた
つ、つかっ!む、胸が…っ
あたっ、あたって…っる…っ

『んふふーっ
グレイ〜っ』
「ル、ルー、シィ…っ!?」

さ、酒でもオランジジュースに入ってたのか!?
つ、つかルーシィがちかっ、近いっ

『うふっ
グレイ顔真っ赤よ?』

ミラちゃんと目があった

「…っ」

まずはこの状態のどうにかしてくれ……っ

『うふふっ
実はね?今ルーシィに渡したオランジジュースには
惚れ薬が入ってるのぉ』

………

「えっ?」

ホレグスリ…?

『グーレーイーッ』

惚れ薬…っ

「……」

つ、つまり今ルーシィは
お、オレが好きってことだよな…っ?

「/////」
『どうかした?グレイ?』

少しでも動いたら鼻が触れてしまうくらい
至近距離から顔を覗かれて

「い、いや…っ」

つい顔を反らす

『薬の効力は2時間よ
残りの時間、楽しんでね♪』

実に楽しそうにミラちゃんは去って
周りには幸か不幸か
オレとルーシィ以外いなくて
冷やかしや、嫉妬の雨がないから
まぁ、良しとしよう

「……」

どうしたものか…

「……」
『……?』

視線に気付いたのか
バッチリと目があって、
ルーシィは嬉しそうにはにかんだ。

「……っ」

顔に熱が集まっていく気がする
その事実をルーシィに悟られたくなくて
顔をルーシィとは逆に向けた

『グーレイッ』

熱がひいてきたと
感じてルーシィの方に顔を向けた

「……っ!」

振り向いてから
いきなり柔らかい何かが口に触れて、
すぐに離れたが、
口に何かが触れた時
確かに、ルーシィは至近距離にいた。
そして、ルーシィが照れたように微笑んでいるのが、
オレの想像を現実だと証明させた



 
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