贈り物

□Sister's Panic
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ページが変われば場面は変わるモノ。
ということで場面は変わり、何やらストラウス姉妹が何かを企んでいるようだ。

『じゃあミラ姉頑張ってっ!』
『えぇ』

リサーナに見送られるようにして歩くミラジェーンの口に一瞬勝ち誇ったような笑みが刻まれたように見えたがすぐにいつもの柔らかな笑みで

『は〜いっ、ルーシィ』

と何やら飲み物をグレイとルーシィの前に一つ置いた。

『私からの奢りよ。』
「…は?」『…へ?』

二人が驚いているのはミラジェーンからの突然の奢りからではなく、目の前にある飲み物に驚いていた。

『み、ミラ、さん?』

一つの普通のより1サイズくらい大きいグラスの中にはメロンソーダにアイスクリーム等のフロート。
中身は全然関係ない。全然おかしくなどないのだが、問題はそうグラスが一つしかないのにストローが二つという異様さに二人は驚いたのだ。

『なぁに?』

だが相手はミラジェーンである。
先ほどから笑みしか浮かべず眉一つ動かない。

「"なに"じゃなくてこれ…」
『あぁっ!新作なのよ、それ』

にっこりと効果音がつきそうな笑顔を向けられればグレイも口を閉ざす他ないらしい。
とことん甘い男である。

『食べたら感想聞かせてねぇ』

そのまま二人に背を向けてリサーナと目が合えば黒い笑みを浮かべ

『ふふっ』

次の瞬間には柔らかな笑みへ変化した。

「おっ、なんだこれ」

そんな姉妹には運悪く、だがグレイとルーシィからしてみれば運良くある者が現れた。

「うまそうだなっ!もーらいっ」

"ある者"とは大それた言い方をし過ぎたかもしれないが、その"ある者"とはナツである。

『ちょっ、ナツ!?』『…そんな…っ』

リサーナが止めようと立ち上がり、ミラジェーンも止めようと振り返るが既に遅かった。

「ふえーっ、食った食ったっ!!」

空のグラスと満足気に顔をほころばせるナツの姿と一緒に溜め息をつくグレイとルーシィの姿がそこにはあり。

『『……』』

つまりは作戦は失敗に終わったのである。
それと今までの作戦全てナツという予想外の存在が現れたことにより失敗しているらしいというのはまた別の話である。

『ナァーツゥっ!!?』

とは言えナツに他意はなくたまたまいつも二人の作戦を邪魔してしまうだけなのだが、二人からすればそんなこと関係ないのだ。

『ちょーと、来てちょうだいね?ナ・ツ♪』

今日も哀れな竜が空に旅だったのだった。


Sister's Panic


(最近ミラさん達なんか変じゃない?)
(あ?そーか?)
((やっぱり鈍い男である))
(オレまだ何もやってねぇのに…っ(泣))

 
→あとがき
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