贈り物

□勘違いからの恋
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『あははっ、そんなことも合ったかもねぇ〜っ』

目の前で心底楽しそうに笑っているのは娘の幼馴染みである子の母であり、いつかの恋敵。

『合った“かも”ではなく実際に“合った”んです。』

今は懐かしい昔話をすれば、悪気の一切ないような笑い声。
きっと昔のジュビアが知ったら怒り狂うこと間違いなしですね。

『でもでも、今じゃジュリちゃんもいて、夫婦になってるわけだしね?
ある意味あたしたちの“おかげ”じゃないかしら?』

ニヤリと怪しく笑うルーシィ。魅力的なその表情で今まで何人の男が餌食になったのでしょう…?

『何を言うかと思えば、
もとを辿れば貴方たちはジュビアたちを利用してくっついたようなものじゃないですか、まったく』
『“利用”って…人聞き悪いわねぇ…っ』

“たくっ、冗談なのに…っ”とジト目を向けてくるルーシィ。
だけどルーシィが知らない事実、実際グレイ様はジュビアたちをくっつけるのは第2目的で一番はルーシィと一緒にいたかったことだというのは、ずいぶん前から知っていたりもする。

『というか、お互い様よね』

そんなことも知らないで暢気にココアを飲むルーシィ。グレイ様も苦労しますね…

『ん?』

まるでわかっていない目の前の元恋敵を見てため息を吐いた後、口を開く。

『こんな鈍感な人がグレイ様の妻だなんてグレイ様が可哀想でなりませんね。』
『な…っ!?』
『しかも、愛情表現がこれでもってくらい不器用ですし』
『う…っ』
『あぁ、グレイ様可哀想〜』

わざとらしくはっきりした声で言えば、どんどん肩が落ちていく。

『う〜っ』

見事附してしまったルーシィの背後に影が近づく。

「おい、ジュビア。
あんまルーシィいじめてくれるなよな…」
『グレイ様っ!!』『グレイ…っ』

後ろから抱きしめるようにルーシィを包むグレイ様にルーシィは先ほどの会話も忘れて赤面している。

「それにルーシィは愛情表現が不器用なとこがまた可愛いんだよ。」
『ば、バッカ…っ』
「それに昼は素直じゃねぇけど、夜になるとそりゃもう無防備なくらい素直でな…?
特にベッドとか…」
『/////』

完璧にルーシィの反応を楽しんでいるグレイ様。
アルイくんがいるときの二人とは立場が逆転していて、思わず胸焼けを覚える。

「ただいま、ジュビア」
『あ、リオンさん。おかえりなさい…っ』
 
大好きな人の声に席をたって抱きつく。

『今日もお疲れ様でしたっ』
「あぁ」

ちゅっ、と頬にキスを贈ると、ジュビアの頬にもキスが贈られる。
そのまま唇をどちらともなく塞ぐのだった…

勘違いからの恋


(ひゃ〜っ)
(…………オレ等もやるか?)
(やっ、やるかぁーーっ!!!)
(ぐほっ)


・終わり・
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