贈り物

□恋愛道
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とりあえずルーシィを落ち着かせたミラは一息、重たいため息を吐いた。

『いい?ルーシィ。』
『……』
『覚悟して、聞いてね?』

ルーシィの瞳が不安に揺れた。

『ルーシィの病名は…』

ゴクリと生唾を飲み込んだ。

『恋わずらいよ!!』
『…………』

たぶん今のあたしは目が点になってるに違いない。

『今までルーシィはナツが好きなんだと思ってたけど、まさか…グレイだったのね。』

“うんうんっ”と自信あり気に頷くミラさんを見ながら、あたしは唖然とした。

『あたしが…』
『ん?』
『グ、グレイを…?』
『えぇ!!』

…………

『ルーシィ?』
『……』
『もしもしー?』
『……』
『あらあら…うふふっ』

あたしが…グレイに……恋…

『……っ!!!!』

ガタッとまたも椅子を倒して席をたつ。

『き…』
『?』
『きゃぁぁぁぁああああっ!!!!!!』

突然叫びだしたかと思えば顔を真っ赤にしてギルドから走って飛び出すルーシィ。

『うふふっ、可愛いっ』

そんなルーシィの後ろ姿を見送ったミラは背後にある太い柱に視線を向けた。

『女の子の話を立ち聞きなんてダメよ?
………グレイ。』
「バレてたか…」

柱の影から出てきたのは、ルーシィとまではいかないが顔を赤くさせたグレイ。

『気になっても立ち聞きなんてしないのが紳士、でしょう?』

クスクス笑いながら言うミラを軽く睨み付けるグレイだが、ミラからすれば拗ねたように見られたとしか感じなかった。

「先に、言われちまった。」
『ルーシィにはバレてないんだから今から言ってきたら?』
「……」
『どうせルーシィの気持ちはわかってるんだから…』

ミラが言い終わる前にグレイは駆け出していた。そんなグレイの背中を見送りながらミラはまた、クスクスと笑うのだった。


恋愛道


(ルーシィッ)
(オレは…っ、お前が…
世界の誰よりも好きだ!!愛してる!!)
(オレの隣に…、いてください!!)


・終わり・
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