贈り物

□I Love You
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リオンさんに送り出されジュビアはグレイ様を呼び出した。

『グレイ様。突然呼び出してしまいすいません。』
「いや、全然平気だ。」

ジュビアの謝罪に笑って答えるグレイ様。
あぁ…っ、やっぱりグレイ様素敵!!

「で、話ってなんだ?」

グレイ様に見とれているとグレイ様が不思議そうにジュビアを見ていた。

『!! あ、ああ!そうですね!!話、話ですよね!!』

『うふふふっ』とわざとらしい笑いで誤魔化す。

『そ、ですね…、あのルーシィとは最近どうです?』
「!!」

“ルーシィ”という単語にあからさまに動揺してみせるグレイ様。微かですけど頬も赤く火照ってきている。

「ちょ、直球だな…おい。」

「ハァ…」、と息を吐くとゆっくりとグレイ様は話した。

「…ルーシィとは…その…健全な…清い付き合いだ…」

顔を真っ赤にさせて言うグレイ様にジュビアは嬉しくなった。

『…好き、なんですね…』
「…むしろ愛してるくらいだ。」

恥ずかしがり屋なグレイ様がここまで言葉にするんだ。
…本当にルーシィには感謝せねばならないのかもしれません(絶対嫌ですけど)。
 
『グレイ様。』

あなたはジュビアを救ってくれた。

「ん?」

ジュビアを変えてくれた。

『あなたが好きでした。』
「!!」

だから今度は、勇気を…ください。

『グレイ様が好きでした。』

あなたへの想いを変える勇気を。…あの人を好きになる…勇気を…。

「……」

目を見開いたまま固まるグレイ様にあの人の残像が見えた。

『返事をくださいませんか…』

そしたら…

『私は前に進むことができるから。』

握り締めた両手は普段かかないのに汗が滲んだ。

「ごめん。」
『…っ』
「オレはルーシィが好きだから。」

あまりに切なそうに笑うから胸の奥がつん、と痛んだ。

「ごめんな。」

好きだった。
口から出たのはそんな過去形の言葉。
I Loved You


『…っ』

だけどやはり…、苦しいんですね…っ

『…大丈夫。ジュビアは…もう…』

顔をあげるとグレイ様はリオンさんと同じように目を見張った。

『大丈夫です!!』

そしてジュビアの表情を見てか笑って、

「おう!頑張れよ!!」

そう言ってくれた…。



『……』
 
いつものカフェで一人。
慣れていたはずなのに最近はずっとあの人が前にいてくれたから前方の景色が全て見えることが寂しい。

『……』

あの人に…会いたい。

『……』

あの人の…声が聞きたい。

『……』

あの人の名前を…呼びたい。

『リ……さ…』

あの人に…“好き”って言われたい。

『リオンさん…っ』
「なんだ?」
『!!』

俯きかけた顔を上げると…

『リオ…っさん…?』
「……」

少しむすっ、としたリオンさんが向かいの席に座っていた。

「…やはりオレはそこまで器用にはできていなかった。」
『?』

リオンさんの言っている意味が分からず首を傾げた。

「ジュビアが幸せなら…と思っていた。」
『…』
「だが、どこかで羨んでいた。それにさっき気が付いた。」

ぷいっ、と目を反らすリオンさんが可愛らしく思えた。

「オレはどうやら本当にジュビアが好きなようだ。」

拗ねたような言い回しにジュビアは笑ってしまった。

「言っとくがオレは真剣だぞ?」

知ってますよ、とは言わなかった。
その代わりジュビアも言おう。

『ジュビアもリオンさんが好きです!』
 
驚いた顔で固まるリオンさん。
そんなあなたに向かってジュビアは笑って言うのです。

『言っときますけどジュビアは真剣ですよ?』


I Love You


(ジュビア、これからリオンさんに精一杯アタックしていくので覚悟してくださいね!!)
(////)


・終わり・
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