贈り物

□土壇場のどんでん返し
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『ふぅーっ』 
さっそくシンデレラは意地悪な義継母達にコキに使われているようですね。
(ふふっ、いい気味…っ)


『んーっ!部屋もきれいになったし!少しだけ外に行こうかしら!
(き・こ・え・て・る・ん・だ・け・ど!?)』

シンデレラは掃除用具を片付け部屋を出ようとしました。しかし…

『ん? おい、シンデレラ。貴様はどこに行こうとしてるんだ?』

そこへ義継母の登場です。

『お、お義母様…っ』
「オレもいるぞー!!」

義継母に続くように義姉1が。そして義姉1に連れられるように…

「み、見ないでくれルーシィ!!」

義姉2が。

「ジュビア!!お願いだから淡々と言わないでくれないかな!?
僕は義姉2なんか」
『煩いぞ。ロキ。』
「…はい。」
 
はい。では義姉2さんが黙ったので早く続きを。

『あー…、へ、部屋の掃除も終わったので少し外の空気を吸おうかと…
(今回もこんな感じで進むのね…(-o-;))』
『バカ者!!』
「『ヒイッ!!』」

シンデレラの言葉に怒鳴る義継母。その怒鳴り声は家を揺らし、地をも揺らす。
その恐ろしさはシンデレラに加え義姉1と2が怯えるほどだった…。


『いいかシンデレラ!!』

バサッ
義継母はキラキラと光る何かを取り…ってエルザさん!?


『貴様は素材がいいのだから少しはおめかしをしろ!!』

…えー。コホンッ
義継母はみすぼらしい姿のシンデレラがその姿のまま野外へ出ることを懸念し、シンデレラにきれいな毛皮のコートを手渡した。


『ま、まぁ…お義母様っ
きれいなコートをありがとう…温かいわ…』
『ふ…っ、そうだろう。
お前のために特注した品だからな!』
『まあ、ありがとう!!お義母様…!!』
 
手を取り合い寄り添うシンデレラと義継母…
(って、これじゃあ話が進みません。エルザ さん。元の流れに戻ってくださいっ)


『(す、すまない…っ!)
そ、そういえばシンデレラ。今日は舞踏会がある。ドレスの用意はできているのか?』
『あ、はい!!』

シンデレラはワタワタと慌てたように部屋から出ていき、戻ってくるとそれはそれは美しいドレスを三着。そのかよわ…、貧相で頼りない腕に抱えて持っていた。

『(わざわざ言い換えなくてもよくない!?)
お義母様、お姉様、ドレスをお持ちしました。』

ドレスを目にした途端、義姉達は目を輝かせドレスに手を伸ばしました。

「(…ねぇ、ナツ。もしかして僕らもこれ着るの…?)」
「(わかんねー)」

義姉達は目を輝かせドレスに飛びかかりました。

「……」

飛びか
 
「わーっ!すごーい!!かわいードレスぅー!
(なんで僕がこんなことを……っ)」
「早く着てみてー!
(エルザが見てんだからやるしかねーだろ!!) 」
二人はドレスに着替えるために部屋を出ていった…。

『さて…。』

義姉達が出ていくと義継母は腕を組み、シンデレラを睨み付けた。

『シンデレラ。私達が舞踏会へ行っている間、お前のすべきことがなんなのか。
わかっているだろうな?』
『う、…はい。』

本当は義継母達に着いて舞踏会へ行きたい。ですが、シンデレラはそんな気持ちを表に出さずに返事をした。

『それならばいい。』

深紅の髪を靡かせ、義継母は部屋を出た…。

『……っ』
 
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