贈り物

□土壇場のどんでん返し
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夜。一人家に残されたシンデレラは自室の屋根裏部屋で泣いていた。


『ヒク…っ、ふ、ぅ…っ
(お義継母様達は今頃楽しんでいるんだろうな…っ)』

あぁ、なんてかっわいそうなシンデレラ…っ
(そのまま舞踏会には行かなきゃいいんです!!)


『(…ああ。ジュビアの語りに副声音が付いて聞こえてくる…)』

シンデレラは顔を洗うために屋根裏部屋から出ると目を疑った。

『!!』

そこにはきらきらと輝く淡い桃色のドレスがあったからだ。

『(て、手紙…っ?)』

シンデレラはドレスに手紙が添えられていることに気がつき、手に取ると涙を流した。

『ふ…っ、お義継母…様…っ
(…ありがとう…っ)』

シンデレラは家を飛び出した。


******

 
晴れやかな会場を見渡しながら一人、黄昏る青年。

「(たく、なんでオレがこんなことを…っ)」

言わずもがな、(ジュビアの)王子様であるグ レイ様だ。

「(まぁ、最終的にルーシィとくっつくならいいけどよ…)」

あぁ…っ
あの実に悩まし気な表情で何を考えていらっしゃるのか…っ
(もちろんジュビアこと…っ、なーんて!!)


「!!」

(ハッ、危ない危ない。使命を忘れるところでした。)
前触れもなく会場全体がドヨめいた。


『(とりあえず…来たけども…)』

……シンデレラの登場です。
(キイィィィイイイ!!)


「ルー、…し、シンデレラ!!」
『!?』

グレイ様はシンデレラに近づくとその手を優雅にとった。
(ジェラシージェラシージェラシージェラシージェラシージェラシー! !)


『(ジュビア…(呆))』
「い、一曲…っ」
『?』
「お、おどっ、踊ってく…っ、さい……っ」

王子の熱のこもった視線に見つめられシンデ レラは頬を赤く染めた。
(グレイざばぁあああああ!!(泣))


『えぇ!』


******


グス…ッ
時間は刻一刻と迫り、もうすぐ深夜の0時になる。


『(えーと。0時には舞踏会がお開きだからとかそんな理由でシンデレラは先に帰るのよね…)』

シンデレラはするり、とグレイ様から離れた。
(やっとグレイ様がルーシィの魔の手から解放される…っ)


『今日はもう帰りますー!!』

シンデレラは有無を言わせず走り出す。
しかしグレイ様もそんなシンデレラを追うために走り出す。


『(えーと…、ここら辺でガラス靴を――)』
 
シンデレラは(台本通りにガラス靴を)落とし、去っていった。

「シンデレラ…」

 
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