贈り物

□土壇場のどんでん返し
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翌日、グレイ様は従者を従えスカーレット邸に向かっていた。

「つーか。なんでオレの従者がお前なんだよ…っ」

馬車に揺られグレイ様の漆黒の髪が揺れる。

「まだアリスの時のことを根にもってんのか? ハッ!小せー男だな。」
「んだと!?」

ああ…っ、グレイが怒ってらっしゃる…!!
(ジェラールさん今すぐ謝ってください!!)


「(うるせー女だな。)」

(何溜め息なんて吐いてるんですか!?)

「(たく、早く着かねーかな。)」


******


『えっ、王子様が家に…?』
「おう!!なんかグレイの奴が来たから呼びに来た!!」
『呼びに来たってあんた…っ
(意地悪な義姉がシンデレラを呼びに来るっていいの…? って、そうか。これ改造版シンデ レラだからいいのか。)』

所変わりスカーレット邸。
シンデレラは自分を呼びに来た義姉の言葉に目を丸くしながらも義姉の後に続いて屋根裏部屋を出た。


「ぼ、…私にはこの靴は合わないみたいだわ〜っ
(なんで僕がこんなことを…っ)」
「あ、そうみたい、だな。
(ドンマイ。ロキ。)」

部屋に入るとちょうど義姉2が靴を合わせていた。

「ほら、ルーシィも履いてこいよ!」
『……うんっ』

シンデレラは一言『あたしもいいですか?』と言うと靴に足を通した。するとあらまビックリ、靴がぴったり履けるではありませんか!

「シン…っ、いやルーシィ…っ」
『(あれー…、なんかシンデレラからもうルーシィになってるんですけど…!?)』
「オレと…け、結婚してください…っ」

グレイ様からの愛の告白にシンデレラは目を見開きます。
(くぅぅ…っ
最後がわかっていてもやっぱりグレイ様からの愛の告白を受けれるなんて…っ、ジュビアのジェラシーがあああ…っ!!)

 
『あたし――』

シンデレラは微笑を浮かべると言った。

『王子様とは結婚しません!!』
『「……え?」』

シンデレラはそう言うと、ある者に歩み寄りその手をとった。

『会場から去る際に貴方と目が合った瞬間から貴方が好きでした!!』

ある者…、それはグレイ様の従者であるジェラ ールさんだった。

『「なん…っだと…!!?」』
「エルザが倒れた!?」「グレイが倒れた!?」

グレイ様や義継母が倒れるなか、シンデレラと従者は互いに手をとり合い――

「実はオレもだ。
結婚しよう…。」
『はい…』

静かに愛を囁き合った。
めでたし、めでたし。



土壇場のどんでん返し

 
(ルーシィとジェラールがくっつくってなんだよ!?オ レの夢は!?期待は!?
つーかさっきまでのオレとの件はなんだったんだよ!?)
(私もグレイに同感だ!!
なぜジェラールとルーシィがくっつくんだ!?)
(え?でもちゃんと台本通りだけど?)
(はい。ジュビアの台本にも書いてありました。)
(……え?)


・終わり・
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