ジョジョの奇妙な冒険

□学校と花京院
1ページ/3ページ

今日は初めて学校に行くことが出来る日だ。
真新しいセーラー服に身を包む。
承太郎さんはいつもの長ランだ。

「なかなか似合ってるじゃねーか。」

「あ・・、承太郎さん。」

襖をあけて入ってきた承太郎さんが私に言う。
す、少し恥ずかしいな。

リュックを背負い、承太郎さんの元に歩み寄れば、
少し笑みを浮かべた承太郎さんの後をついていく。

ホリィさん、ジョースターさん、アヴドゥルさんに挨拶をして
玄関を出る。

「私・・、友達できるでしょうか・・?」

「まあ、大丈夫だろ。俺と同じクラスだし。」

「えっ、そうなんですか?」

「・・・何だ美麗。
お前じじいから聞いてねえのか・・?」

な・・、何にも聞いてないですよ・・・・。

しばらく歩くと、同じセーラー服の女の子たちが承太郎さんの周りに集まり始めた。

視線が・・・、痛い・・・・。

女の子たちは積極的に承太郎さんに話しかける。
そして・・、私にも。

「ちょっと!あなたジョジョとどういう関係なのよ!」

「隣占領しないでくれる!?」

見かねた承太郎さんが私の手を掴み、足早に歩き出す。

ごめんなさい承太郎さん・・・!
それ逆効果ですぅぅ・・・・。

神社の階段を下りていく。
その瞬間、誰かの殺気を感じた瞬間、
承太郎さんが前に倒れ込んだ。
そしてそのまま落ちていく。

女の子たちは悲鳴をあげるけど、
私には承太郎さんがスタンド、のちにスタープラチナと名付けられる彼を使い着地をすることは知っていたので
大して慌てることはなかった、でも・・。

階段を駆け下りていく女の子たち。
今から行っても一番につくことは不可能だ。

なら・・・・!

私は深呼吸して、階段から飛び降りた。
























―――























足を切られ、体制を崩して階段から落ちたが、
スタンドを使いなんとか着地することができた。

でも、足が切られた瞬間感じた殺気・・・・。

女たちが階段を駆け下りてくる。
・・・めんどくせえな。

ふと上を見た瞬間、空から凄いスピードで美麗が
落ちてきた。

「・・・・・は?」

「じょっ、承太郎さああああああんん!!」

可愛らしい悲鳴と共に落ちてきた美麗を
キャッチする。

俺の腕の中で美麗は一息つくと、
すぐに俺を焦りの表情で見た。

「だ、大丈夫ですか承太郎さん!」

「ああ、平気だぜ。」

「よかったあ・・・・。
あ、私重いですよね!すぐ下ります!」

・・しかし、なんで落ちてきたんだ。
もしかして、他の女に先を越されたくないから、とか?

・・・・何考えてるんだ俺。

でも、流石に階段を飛び降りるとは・・。
・・・・スカートの中、全部見えてたのは言いにくいな。

「足の具合は平気ですか・・・?」

そんな美麗の声ではっ、とする。

「これくらい、どうってことねえよ。」

「そう、ですか・・・?」

しばらく話していて気付く。
女たちが寄ってこない、何故だ?

ふと階段を見ると、全員驚きや戸惑いの表情で固まっている。
・・・・?

「承太郎さん!そろそろ行きましょう!」

「え?あ、ああ・・・。」

美麗が俺の長ランの袖を引っぱる。
少し疑問は残るが、俺は美麗と共に学校へ向かった。
























―――

























なんだ・・・、あの子は・・・・ッ!

林の中からすべてを見ていた僕、花京院典明は
未だに階段から動けずにいる女達と同じように動けずにいた。

彼女は空条承太郎が視線を外していた隙に、
彼女は笑顔を向けた。

ただの、笑顔。それが妙に恐ろしかった。

『この男に、手を出すな。』

彼女の瞳がそう、言っていた。




















―――





















少し、怖がらせてしまいましたか。
そんなつもりではなかったのに。

笑顔を見せてくれる承太郎さん。
その笑顔は私があなたを裏切るとわかったら消えてしまうのでしょうね。

私はただの人形。
ミコト様の力で作られて、あの人の意思で消えてしまう哀れな人形。

本当は、いけないことなのに。
承太郎さんにこんな感情、抱いてはいけないはずなのに。

心臓が痛い、承太郎さんの笑顔が、痛い。

・・・・・・ごめんなさい、承太郎さん。


























次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ