ジョジョの奇妙な冒険

□記憶
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「じゃあ、ママは一真と買い物に行ってくるからね。
お留守番、よろしく。」

「お姉ちゃんいってきまーす!」

「いってらっしゃーい。」

その会話が、私が母親と弟とした最後の会話だった。

そして、次にその二人を見たのは。

事切れた肉片になった後だった。

「ママ・・・一真・・・?」

涙が出ない。
パパが泣いてる、みんな泣いてる。

私だけ、泣けない。












「パパ、お酒飲み過ぎだよ、もうやめたほうg「うるせえ!!」

殴られた。
床に勢いよくぶつかる。
殴られた頬が痛む、その上から足で踏みつけられる。

痛い、涙が出る。
なんで、ママと一真が死んだときには出なかったのに。
自分が痛いと出るの?なんで?

パパがヒステリックに叫んでいる。
痛い、視界が歪む。痛いよ、痛いよ、ママ、一真、助けて!














それからも、お酒を飲む度にパパの暴行は続いた。
そのうち、お酒を飲まなくても暴力を受けるようになった。

あの頃のパパはどこに行ったの?
ママがいないから?一真がいないから?
・・・私じゃ駄目なの?

服が破かれた。
明らかにパパの目が正気の目ではない。

私でもわかる。
パパはやろうとしていることは―――

「やめてパパ!お願い!許して!!!」

「うるさい!お前は俺に従っていればいいんだ!」

「やだよ!痛いよお願いパパぁ!!!」

そうして私はパパに『初めて』を奪われた。

























普段のパパは優しかった。
だから、何でも与えてくれた。

そうして私はコードギアスを知った。
好きになった。そのキャラに、物語に。

そして、最近ジョジョを知った。
これもとてもいい作品だった。

これが、私の唯一の幸福。




























もう考えることもできない。

私に存在理由などない、パパの欲求不満を解消するための
ただの道具。

この体ももう、汚れてしまった。

いつものように殴られる。

もう、痛みすら感じない。
ああ、死ぬのかな。

私が死んだら、パパはどうなるのかな?

そうして私は、意識を失った。




































「・・・・え?」

思い出した、すべて、すべて。

私が思い出すことの出来なかった、前の世界。

「ようやく思い出したか・・・。
・・・しかし、思い出したのは前の世界だけらしいな。」

もう聞き慣れてしまったルルーシュの声。
ルルーシュではなく、案内人だけど。

・・・・そうか、私はパパに殺されてしまったのか。

いままで黒く塗りつぶされていた絵画のいくつかが見えるようになっている。

家族団欒楽しそうな私、葬式のときの私、そしてパパの玩具の私。

「ねえ、案内人。」

「なんだ。」

「前の体はどうなったの?」

「・・・お前。
あんな姿で出て行けると思っていけるのか?」

「・・・・だよな。」

暴行により晴れ上がった皮膚。
無理矢理の行為の末に、汚れてしまった私の純潔。

でも、DIOにあげたのがこの体でよかったな。
こっちはまだ、汚れていない。

「・・・・・・。」

案内人が複雑そうな顔で私を見る。

「・・・・可哀想な女だ。
さっさと思い出せばいいものを。」

「まだ、思い出すことがあるのか?」

「ああ、ある。
お前が封じた、一番大事な魔女の記憶がな。」

あざ笑うように言った案内人の顔を見つめて。

・・・・私にはまだ、思い出さなければいけない過去があるのか。

絵画を、眺めるように歩く。

私の、今までの記憶のすべてが絵となって現れるこの世界。

そうして私は、目を覚ます。












































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