眞紅の蝶 長編
□第2話
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着ていた着物は軽くしわをのばして腕にかける。お母さんに洗ってもらおーっと。
そしてわたしは机の上にある紙と鉛筆を持ち、部屋のドアを開けた。
1階の雪の元へ戻ろうとしたそのとき。
なにやら隣から声がする。
隣はお母さんの部屋なんだけど、お母さんにお客さんかな?
そっとその場で聞き耳をたてると、相手はお父さんだった。
ん…仕事は?
「…桐生家の儀式があんな形だったから、近い将来また儀式が行われるだろう」
「そうね。しかも雪は最近状態がよくないから…はやいうちに雪と桜の儀式が行われるかもしれないわ」
…っ。やっぱりそうなるか…。
いつかはそうなるとは思っていたけどそうきかされると、体がずっしり重くなる。
わたしが雪を殺すなんて、絶対できない。
「それか…樹月くんと睦月くんかしら?正確な順番では次立花さんところだし」
またドキッとする。
樹月くん…睦月…やだ…