狂気の秘宝
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「食後の運動にちょっと修行しようか◆」
ちゅっと音がして頬にキスされたかと思えば開放されて、唐突にそう言われる
「何をするんだ?」
同意の意を込めて返事を返し、好機ととってヒソカの腕から抜け出し彼の横に座る
少しだけつり目な彼女の目元は恥ずかしくて赤くなっていた
それに気付いて上機嫌なヒソカは、応用技を練習しようと持ちかけた
修行は順調で、あっという間にほとんどを習得した星羅をヒソカが撫でると、
彼女は目を閉じて頬を緩める
「(猫みたいだ◆)」
彼はいつも纏っている血の臭いの所為で動物に好かれないが、
きっとこんな感じなんだろうと推測してそう思った
「私も"発"考えないとな!」
星羅は自分より20cm以上高いヒソカを見上げて嬉しそうに笑う
向こうの世界は勿論、彼と出会った当初は感情を露わにしなかったが、
知らない内にヒソカを信用したようで、歳相応の笑顔を向けるようになった星羅
今まで怒られる事はあれど、褒められる事など両手で数えられるほどしかなかった星羅にとって
ヒソカに褒められる事は嬉しくて、努力のし甲斐があった
「そうだね◆でも何でだろうなあ◆」
「? 何がだ」
思い当たる節がなく、ヒソカの言葉に首を傾げる
「キミの円、丸くないだろ◆」
「ああ…言われてみれば」
「普通は形を変えられないんだ◆星羅すごいね◆」
漫画で見たときも確か円の形が変えられるのはピトーだけで、他は綺麗な円形だった
「…!」
「何か思いついたのかい?悪い顔してるよ◆」
「ああ、私の"発"だ」
ニヤリと笑い、練習のためにヒソカと共に裏の林に出た
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