*裁判記録*
□履く、履かない
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履く、履かない
御剣×成歩堂
「あー・・・寒いー・・・爪先が冷たいよ・・・・。」
「それなら尚更、靴下を履いたらどうだ・・・?」
季節は真冬、コタツに入っていても凍えるこの季節は、とても厄介で1日中コタツから出る気さえ起きないのだが、小一時間ほど前からコタツに入っている恋人が靴下を履かなくて寒いと嘆いている。
私は、その都度靴下を履くよう促してはいるのだが一向にコタツから出る気配もない。
「だって僕、基本裸足でいたい主義だから靴下なんか履かないよ・・・。」
「身体の冷えは足元から来る、温まりたいのなら靴下くらい履きたまえ。」
彼が靴下を家の中で履いていないのは分かっているが、履いていないのに寒いと言われる此方の身にもなってもらいたいものだ。
「どっかに出掛ける訳じゃないんだしさ、靴下なんか履かないよ・・・。」
だったら寒いと言うな、と叫びたい私を押さえて仕方なくコタツから出ると自分の部屋から5本指ソックス(モコモコver)を持ってきて彼に渡す。
「それを履いていれば、足元が冷えにくいから履きたまえ・・・霜焼けになってもらっては困るからな・・・・。」
そう言いながら、彼に渡すと彼の表情が一気に和らいだ。
「な、何なのだッ!」
「いやー・・・持ってきてくれないかなぁ、って思ってたんだけど流石にそれは言えなくてさ御剣が持ってきてくれたから良かった。」
どうやら、持ってきてほしくてリピートしていたのかと思うと先程までの怒りが呆れに変わりハァ、と小さくため息を吐く。
まぁ、彼を霜焼けにするよりは持ってきて良かったな、と靴下を履いて気持ち良さそうに眠る成歩堂を見て思ったのは言うまでもない。
end