第121話〜
□第140話
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『ちなみに弾君は学園職員の布仏虚さんと付き合ってます』
『お前ここでも言うのか! あのあと相川さんだっけ? あの人にマジで根掘り葉掘り聞かれたんだぞ!』
『ん? なぁ、何か外が騒がしくなったぞ』
弾君が立ち上がり文句を言っていると、一夏が廊下の変化に気づいた。
『あぁ、きっと今頃虚さんがみんなに事情聴取されてるんじゃないかな』
『おい美晴! 虚さんにまで被害を出すなよ!』
弾君がまた声を荒らげた。被害だなんてそんな。取材ですよ取材。
『いいじゃない。ラブラブは隠すものじゃないよ? ということで一枚目のハガキを引いてくださいな』
『くっ、仕方ないな』
文句を言いながらハガキを引く。そしてそのまま読み上げてもらう。
『美晴君、一夏君、あとお友達の方こんにちは』
『『『こんにちはぁ』』』
『――って俺のことも書いてある!』
流れで一緒に挨拶したが弾君は異変に気づいた。
『実は企画の時点で弾君を巻き込むことは確定してました』
『俺が来なかったらどうするつもりだったんだよ』
『いやぁ、弾君が虚さんの部屋に上がれるたった一回のチャンスを逃すはずがないと思って』
チケットさえあれば学園の敷地は自由に歩ける。もちろん監視カメラが行動を注視しているが。その自由の範囲は職員寮にも及ぶ。身分照会を済ませ職員さえ同行していれば見学が可能。弾君ならお部屋にも行けるわけで。そんな絶好のチャンス、乗ってこないはずがない。
『すべてお前の手のひらの上か……』
自身が踊らされていたのを理解し、がっくりと肩を落とす。
『はいはい、いいから続き呼んで』
『えーと、三人は普段寝るときどんな格好で寝ますか、だそうだ。まず一夏からでいいか』
年頃の男子と触れあう機会がどうにも限られてしまう女子生徒達。その興味は弾君にも及ぶ。
『俺はTシャツ短パンだな。夏はたまにパンツだけかな』
『ずいぶん赤裸々に行くなお前。じゃあ美晴』
『僕は普通にパジャマだよ。弾君は?』
『大体ジャージだな。快適だし。で、これを知ったところで何がしたいんだ?』
『さぁ?』
『じゃあ次のハガキな。挨拶は飛ばすか。お、さっきの一夏のパンツ発言に繋がるな。普段どんな下着をはいてますかだとさ』
『純粋な興味なんだよな。他意は無いんだよな、多分。男はデザインよりも種類で派閥があるからな。ちなみに俺はトランクスだ』
『俺もだ』
『僕はボクサー。トランクスは少しスースーする感じがちょっとね』
『あれが夏には有効なんだけどな。次はと。関連質問だ。女性にはどんな下着を着けていてほしいですか、だとさ』
『ヒモとかTバックとか僕はあまり好かないなぁ。ブラもスタンダードなのが良いな。一夏は?』