第81話〜

□第84話
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 チュンチュン……。
 雀の鳴く声が聞こえる。冬でも元気だなぁ。
 ふぅ。朝か。そろそろ起きて朝ご飯の準備しないと。


「んーっ!」

 起き上がり、腕を大きく上に伸ばしてのびをする。


「う……ん。寒い……」

 ふと横を見ればラウラ。
 まぁ寒いだろうね。裸で寝てれば。もう見慣れた光景だから取り乱すこともなくなってしまった。
 この部屋にもちゃんとした鍵つけるの検討しよう。


「ゆっくりおやすみ。ラウラ」

 風邪をひかないように布団をかけ直し、僕はキッチンへ向かった。
 さて、今日は何がいいかな。和も良いけど、たまにはパンにするのもありかな。シャル達居るし。
 目玉焼きとベーコンと、トマトとレタスのサラダ。あとは……、コーンスープでいいか。
 みんなが起きてくるまでにはもう少しあるだろうし、こたつに入ってテレビでも見るか。
 ニュースを見ると、一部地域で大雪が降ったらしい。こっちでも降るぐらいだしな。雪国は大変だな。


「美晴。おはよう。早いな」

 一夏が目を擦りながら下りてきた。


「おはよう一夏。何だか目が覚めてね。どう? ココアでも飲む?」


「あぁ。もらうよ。ん? 雪か。すごかったんだな」

 一夏もこたつに入りニュース映像を見て驚いている。


「みたいだねぇ。僕はここには住めないかなぁ。寒そうだし」

 はい、と一夏にココアを渡してこたつで二人でテレビを見る。


「ん? この人結婚するんだ。できちゃったんだね」

 人気の芸能人が入籍するとのスクープ。


「美晴はそうしないように気を付けろよ?」

 一夏はニヤリと笑みを浮かべながら僕をからかう。


「しないよ。まだ手出してないもん。ならないよ」

 まだキス止まり。それ以上はしてない。


「そうか。俺はまだこの歳でおじさんにはなりたくないからな」

 僕だって高校生でパパは嫌だよ。


「そろそろ作るか。千冬姉は……、後ででいいか」

 朝ごはんを作るためにこたつから出る。
 一瞬階段を見て考えるが、すぐに目線をもとに戻す。どうせ早起きする気はないだろう。また昼兼用になるかもな。


「パンは食べる直前に焼いて、あとは少し冷めてもいいよね」


「いいだろ。ほいトマト」

 一夏から切ったトマトを受け取り、レタスと共に盛り付け。ドレッシングはシーザーでいいや。パンに和風は雰囲気的に合わない気がするし。


「う……ん。おはよ、美晴、一夏」

 シャルは寝ぼけまなこ。


「おはよシャル。そろそろご飯できるから顔洗っておいで?」


「うん……」

 目をこすりながら洗面所へ歩いていった。


「む。早いな美晴。一夏」

 ラウラが客間の無い二階から下りてきた。ばれたら面倒なのに。


「おはよラウラ。服は……うん、ちゃんと着てるね。そこ座ってて。ご飯できるから」
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