第121話〜

□第122話
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 今日は土曜日。
 IS学園と違って俺の学校は完全週休二日制。土日は授業が無い。
 今日は以前から美晴がよく行っているアニメショップに行こうと提案した。
 俺はあまりそっちには興味ないから行くことはないが、美晴はしょっちゅう行っていて、何回か彼女を連れていったこともあるから、これも何らかのきっかけになるかもしれないと考えた。


「弾君が行きたいなんて言うなんて、結構意外だな」

 二人で並びながらアニメショップへの道を歩いている。俺の生活圏からは離れているのであまりこの辺は歩かない。


「そうか? 最近興味を持ち始めたんだよ」

 正直嘘だ。何が流行ってるとか全然わからない。
 大体週刊雑誌のマンガを読むぐらいで、わざわざ夜遅くまで起きて深夜アニメを見たりとかしたことがない。
 美晴は結構遅くまで起きてたりするらしいけど。


「さ、ここだよ」

 美晴が指を差した。
 結構大きいな。それにもっと暗いのかと思ってたが、そうでもない。
 ずいぶんと売り上げがあるのは聞いたことがあるが、これだけ人がたくさん居ればそれなりに行くだろうなぁ……。
 この半分、いや三分の一でもいいからうちの店に来てくれねぇかなぁ……。
 そうしたら俺の小遣いももっと上がるかも知れねぇのに。


「今日は人が多いから迷わないでね」


「迷ったらすぐに外に出るよ」

 美晴が心配そうな顔で俺を見てきたので、出口を見ながら答えた。
 こんな空間で一人きりなんて耐えられねぇ。
 それにしても、世間が言ってるほどここに来てる人達は悪い印象を抱かないな。いかにも普通の人ばっかりだ。女の子も綺麗な顔で可愛い格好をしてる人が多い。新しい文化を受け入れられない大人の偏見だろうか。
 ……浮気じゃないぞ。冷静に分析してるだけだ。


「弾君こっちこっち!」

 おっと、いつの間にか美晴があんな遠くに。


「悪い悪い」


「もう。弾君が来たいって言ったんだからね?」

 早足で美晴の居る所に行くと、美晴が頬を膨らまして怒ってた。
 ……女子だ。


「む、何か失礼なことを考えてなかったかい?」


「いいえ?」

 この手のことで美晴を怒らせると、なっがーいお説教が待っている。
 ――おっと、目的は男相手に端から見てデートに見えることをすることじゃない。美晴の記憶が目的だ。


「あ、可愛いなこれ」

 美晴がショーケースの中を覗き込む。
 そこにあるのは銀色の髪をした女の子のフィギュア。まるであの子みたいだ。
 しばらく眺めていたら、美晴がしきりに首をかしげ、うーんとうなり出した。


「……ねぇ弾君。僕、前にも弾君とここに来たことあるかな?」
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