第121話〜

□第127話
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 おはようございます、美晴です。

 フランス二日目。
 ラウラはドイツに、僕達はパリに向かうために空港に来ています。


「ラウラ。期間はどれぐらい?」

 僕はラウラの予定を尋ねる。
 共に飛行機の時間まではまだ少し時間がある。より長く一緒に居たいからラウラを抱き寄せている。


「ふむ。きっと検査と多少の運用テストぐらいだろう。そんなに長くない。検査に一日、テストに二日。長くても四日で終わるのではないか?」


「そっか。じゃあ待ってるから帰りも一緒に帰ろうよ」


「そうだな。向こうを出るときに連絡する」


「よろしくね」

 そのまま寄り添って搭乗開始の時間を待った。


 ――ハンブルク行きご利用の方、搭乗受付を開始します――

 ラウラが利用する便のアナウンスが入った。


「時間か。では行ってくる」

 ラウラは敬礼で僕達に挨拶をする。


「お気をつけて。少佐」

 僕も敬礼で返す。


「無理をするな美晴。その敬礼は海兵のものだぞ」


「あれ?」

 ラウラが僕の敬礼が間違っていると指摘した。肘の位置が間違ってたか。もう少し脇を開けるんだっけ。


「簪、美晴。私に遠慮せず存分に観光を楽しんでくれ」


「うん、わかった」


「ラウラ。今度いっぱいお話してあげるね?」

 あまり土産話を語るのは得意じゃない。どうにも感情が先行しがちになってしまうから。でもラウラに何があったかいっぱいお話ししてあげたい。こまめにメモを取れば何とかなるかもしれない。


「うむ。ではシャルロット。二人を頼むぞ」


「任せといてよ!」


「よし、頼もしいな。では!」

 ラウラは体をサッと切り返し、搭乗口へと歩いていった。


「――さて、ボク達も行こうか。パリ行きはあっちだよ」

 ラウラの姿が見えなくなるまで僕達は背中を見送った。
 そしてパリ行きの受付の近くへ移動した。


「案内は大丈夫なの? シャルはパリ出身じゃないでしょ?」


「む。大丈夫だよ。デュノア社はパリにあるからね。向こうに連れていかれてた間にある程度覚えたよ」

 四六時中辛い生活って訳じゃなかったのかな。安心したよ。


「私エッフェル塔のぼりたいなぁ」

 簪さんが行きたい場所を呟く。


「いいでしょう。ボクがしっかりと案内しますよ」

 しっかりか。大丈夫かなぁ。



「わぁー! すごーい!」


「でしょでしょ?」

 パリについてからは電車で移動し市内へ。真っ先に向かったのはエッフェル塔。
 簪さんは市内を一望出来るこの景色にずいぶん喜んでいる。
 整備された都市で景観が綺麗だ。ラウラならきっと「しかしこう整いすぎていると多方向から攻められて侵略が容易になるがな」とかこの整備された通りを見渡しながら言うんだろうなぁ。
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