泣いた白鬼
□第十三訓
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ドスドスと、まるで何か踏み潰すかの如く足音荒く客間に急ぐ副長。
今の副長の纏う雰囲気は…まさに"鬼"で、機嫌の悪さMAXだ。
そんな鬼の後ろを行くオレ…山崎退の今日の運勢は、絶対に最悪さMAXだろう。
「ふ…副長…どうなさるつもりで…」
「あぁん?」
「ヒィッ」
あああぁ…怒らないでくださいよ、副長。
オレは、彼女が来たことを報告しただけなんだから。
そう思いながらも内心ビクビクして副長の顔色を伺ってるオレは、超小心者だ。
自分の情けなさに溜め息を吐くと、ちょうど客間に着いて、オレは足を止めた。
□ 第十三訓
【廊下は静かに歩きましょう】
◆山崎視点