10/23の日記
16:07
シスコンで何が悪い
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姉がおかしい。
ひとりで「あ゙ー」だの「ゔ〜」だのと唸って気持ち悪い。
かといって「どうしたの?」なんて尋ねれば、「な、なな何でもないよ!?」と返ってくる。
分かりやすい反応を返してくれてありがとう。
つまり、めちゃくちゃ何でもあるんだな?
二つ離れていても、さすがに僕も大人になって居るんだよ。
中学生はまだまだ子供だって周りの大人たちは言うけどね。
精神も肉体的にも、そらもう成長仕切っている訳だよ。
身長だって、今はバカな姉と同じ高さまで伸びて、追い抜くのも時間の問題。
さて、今もなお唸り続けているバカ姉からどうやって話を聞き出してやろうか。
本当は話を聞いて欲しいってオーラが見え見えなんだよ。
チラッチラこっち見たりしてさ、本っ当この人はあまのじゃくだ。
だけど僕は、そんな姉が嫌いじゃない。
「姉さん。やっぱり何かあったんだろ?話聞くよ」
と、まあストレートに尋ね直してみた。
するとやはりバカ姉は、どこか嬉しそうに「き、聞いてくれる……?」だなんて近付いてくる。
僕の前にちょこんとお山座りなんかして、上目遣いに口を開く。
「あ、あのね?好きな人に告白されて……」
ああ、なんだ、そういう話……。
「好きな人からなら、受ければ良いじゃないの」
あまりに馬鹿馬鹿しくて、僕はついつっけんどんにそう返してしまった。
だって、もう出来上がったも同然な話だろう?
それを悩む意味がわからない。
「そか、そう……だよねぇ」
と、ぎこちなく笑った姉を、僕はもう見向きもしないで頷いた。
「好きなら付き合えば良いんじゃないの?じゃあ、僕は宿題があるから」
すっと離れて、僕は姉が少し複雑そうな顔をしたのを見ることなく机に向かった。
ああ、この時、ちゃんと姉の話を聞いてやれば良かった。
そうしたら、こんなに苛立つこともなかったというのに……。
後に姉とまともに話したのは、姉がその告白を受けた男と別れたという話を僕にして来た時だった。
泣き笑いしながら、「ゴメンね、相談に乗ってもらったのに上手くいかなかったよ」なんて言ったんだ。
そこで僕の怒りの沸点は頂点に達した。
バカ姉を泣かして良いのは僕だけなのだ。
僕に抱きつき泣きじゃくる姉の背中を撫で、僕は考えた。
どうやってソイツを懲らしめようか。
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