11/11の日記

14:57
お強請り
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なんだ、このモヤモヤ。


……いや、多分こいつのせいなんだろうがな。


わかってたよ。


おぉ、わかってはいたよ。


こいつが無自覚だってことくらいよぉ?


だが、何とかしてくれないか、この顔。


俺の理性が爆発寸前だコラ。


「イきたいな……」


って、クソ、襲うぞマジで。


いやいやいや、待て待て待て、俺!!


何勝手に脳内変換してんだバカ。


『行きたい』つったんだろがよ!


どこにって?


先週から次の休みは一緒にネズミの王国行こうって、ものすげー頼まれてたやつにだよ。


あんなネズミやらアヒルやら犬やらのマスコット人形がうじゃうじゃしたところ、行きたくもねーっつうのによ。


だが、こいつは行きたいという。


瞳ぇウルッウルにして、上目遣いで、行きたい一心から切なげに眉寄せて……


え、コレもしかして誘ってんの?


裏を読めってこと?


ヤっちまっていいのか?


マジで『イきたい』なのか?


バカ待て、んなわけないだろが。


こいつがそういう俗っぽいヤツじゃないことくらいわかってるはずだろうが。


何を都合の良いように脳内変換してやがんだ、チクショウ。


でも、あー…襲いてぇー……。


「お願い!もう次の休みがいつになるかわからないって言ってたじゃない?だからね、今日に賭けてたんだよ〜」


とか言って泣きそうな顔でお強請り……。


マジで、誘ってるようにしか見えないんだが……。


行くは行くにしても、一回イかしてから行くのはダメですか?


卑猥すぎて引くだって?


んなもん知るか。


男なんてみんな下半身で物事考えているようなしょうもない生き物なんだよ。


幻滅するか?


だがその前に、好きな女目の前に理性を保てる聖人なんか少ないってのもわかっててくれよ。


そいつが可愛くて襲いたくなる気持ちは、きっと世の中の男どもはみんな共感してくれるもんだ。


だから、ちょっとくらいヤっても……


「ね、行こうってば。じゃないと暫く口聞かないから!ご飯も作ってやんないんだから!」


………。


なんつー我が儘なお姫さまだコラ。


だが、口が聞けないのはいただけない。


まだ少し残っていた理性がこいつの我が儘を受け入れたのは悔しいが事実で、俺は疼く下半身に叱咤してネズミ王国へ旅立った。


なんにせよ、悪くはない一日だ。





 

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