海よ、空よ
□話してみる
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レニィを助けてくれたお礼にと料理を振る舞うと、ハートの海賊団のクルー達は大変喜んだ
かすかに口元に弧を描くトラファルガーと、レニィに懐かれている三人のクルー
合計6人で一つのテーブルを囲み、いろいろな話をした
今までの航路での話、これから向かう場所―――新世界の話
レニィは興味津々で、ベポの膝の上で楽しそうに聞いている
ルイは水を飲みながら様子を見ていた
「飲まないのか?」
ペンギンが向かいに座る彼女に尋ねると、彼女は少し恥ずかしそうに苦笑いを浮かべた
『酒、苦手なの
だから私のことは気にせず飲んでなよ』
「…なんか悪いな」
頬をぽりぽり掻きながらグラスをあおるペンギンに、ルイはふっと微笑んだ
まともに話したのは今日が初めてだが、大人しそうな見た目とは違い、口調はハキハキとしている
だが仕草は女らしい、上品さがある
やはり変な女だ
と、トラファルガーは酒を飲みながらルイを見た
『……なに?
顔に何かついてる?』
「あ?
……あぁ、いや…。面白い女だなと思っただけだ」
ククッと笑い、酒を喉に流す
バカにされたと思ったのか、ルイは眉を寄せた
『………誉め言葉として受け取っておくわ』
「そうしろ」
会話を終えると席を立ったルイ。そのままベポの膝で寝てしまったレニィを抱き抱えると、先に失礼すると言い残して二階に消えた
***
「……珍しいねキャプテン」
「何がだ」
ベポがルイが作った料理を食べながらローを見た
「今までの女とルイの扱いが全然違うよ?」
「……。」
ジロリとベポを睨むロー。だがベポに気にする様子はない
ベポはぼんやりしているようで、意外と核心を突いてくる
それはペンギンやシャチにも言えることだが
現に、今二人はローとベポのやりとりを無言で見つめている
「キャプテン、ルイと話してる時楽しそう」
ベポの言葉に、ペンギンやシャチが頷いた
ローは無視を決め込んだ
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