金田一

□公認
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『及川さん!と岩泉さん!』


及「ん〜?

あ、薫ちゃん!」

岩「久しぶりだな木下、体調はもう大丈夫なのか?」



何とか学校に復帰してから数日経った休み時間、廊下を歩いているお二人を見かけて声をかけた


お二人の影になってて分からなかったが、すぐ近くに花巻さんと松川さんもいた

レギュラーメンバーで話し合いでもしていたのかも知れない






『あ、すみません、タイミング悪かったみたいですね』

花「んーん全然」

松「暇だからぼけっと話してただけだし」

及「そうそう

で、俺に用かな?」

『はい、あの、お礼を言いたくて』

及「お礼?」

『はい

私が休んでる間の事を友人から聞きました
ご迷惑をおかけしてすみません


それと、色々とありがとうございました』




深く頭を下げると、及川さんは小さく笑って頭を上げるように言った





及「謝んないで、俺が原因でもあるんだし」

岩「そうだぞ木下、こんなアホに頭なんか下げなくていい」

花「巻き込んだ、って意味ではバレー部全体の責任だしね」

松「そうだよな」

『でも』

及「薫ちゃんに嫌がらせしてた子たちにはよく言っといたし、君は俺の事には興味ないって説明しといたから
もう大丈夫だよ」

岩「悪かったな、遅くなって」

『いえ……、ありがとうございます』




もう一度頭を下げると、花巻さんに強制的に上を向かされた


四人とも苦笑いを浮かべている








岩「お礼はいいって言ってるだろ」

及「そだよー

それに薫ちゃんには、もう守ってくれる人がいるんじゃない?」

花「あれ、何それリア充?」

松「おやおや?」

岩「あぁ、金田一か」

及「ちょっと!!今及川さんがカッコよく言おうとしてたのに!!」

岩「うるせぇ!!」

花「何、やっとくっついたんだ」

松「オメデトー」

『え、はい、あの、そんな感じです
ありがとうございます…?』



カァ、と顔が暑くなる

それを見た及川さんや花巻さんや松川さんが、ニヤニヤと笑った









金「あれ、先輩方、と木下?」

国「あ、これタイミング間違えましたね失礼します」

花「国見待てー、逃げるなー」

松「お前察し良すぎだろ」

国「いやだって絶対このメンバーはダメな奴ですよ…」

金「え?なに、え?」





何かを悟ったのか逃げようとする国見くんを、花巻さんと松川さんが確保する

分かっていない金田一くんは及川さんに確保された







及「ちょっと金田一〜?
先輩に報告がないとはどういう事かな〜?」

金「え、な、なんすか」

花「こーんな可愛い彼女捕まえといて報告無しとは頂けないな〜」

松「ほれほれ、報告しろ」

国「(あーぁ…)」



ニヤニヤと金田一にからむ先輩達を見て、思ったよりバレるの遅かったな、なんてぼんやり考えていた

木下と付き合い始めてすぐぐらいの頃は、やたらバレーの調子が良くて先輩達に絡まれていたが、その時は不思議とバレていなかった



まぁ本当は気付いてたのかも知れないけど





絡まれて赤面してる金田一から木下に視線をそらすと、木下も顔を赤くしていた









及「金田一が最近バレーの調子が良いのは、薫ちゃんのおかげかな?」

花「爆発しちまえ!」

岩「おいこら」





花巻さんの頭をスパンとはたく岩泉さんに苦笑いを浮かべると、そーっと隣に国見くんが並んだ





国「……いいの木下、彼氏いじめられてるけど」

『私に振らないで…!』





国見くんまでいじめる側に回られるとタチが悪い


けど視線を金田一くんに戻すと、彼は赤い顔をしっかりと上げて、及川さん達に向かって口を開いた









金「えと、木下と付き合い、始めました」


『!』




赤い顔でハッキリとそう言ってくれた金田一くんに、思わず胸がキュンと鳴った



金田一くんの言葉を聞いた先輩方は、ニッコリと笑って祝福してくれた




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