宍戸さん
□合同合宿通知
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立海の高等部に進学し、少しずつ周りに馴染んできた
テニス部にも入部し、ありがたいことに新しい仲間たちとも親しくなって、また慌ただしい毎日を送るようになった
「雫」
『! 蓮二、何か用?』
「あぁ、今日の放課後の予定は聞いているか?
男女テニス部の一年生の一部でミーティングがあるという話だ」
『えっ、何それ知らない』
私のクラスには女子のテニス部は私だけしかおらず、男子テニス部は真田がいる
つまり真田と同じクラスだ
「お前のクラスだと、お前と弦一郎が参加するよう言われている」
「む?蓮二か、俺がどうかしたか?」
『なんか私たち、放課後ミーティング参加だって』
「ミーティング?テニス部のか?」
「あぁ、第二会議室だそうだ、よろしく頼む」
『ん、了解』
ひらひらと手を振り、蓮二が教室に帰って行くのを見送る
そのまま真田に目を向ければ、彼は不思議そうな顔をしていた
「男子テニス部のみではなく、女子も交えてのミーティングとはどういうことだ?」
『さぁ?
ま、放課後になればわかるでしょ』
「それもそうだな」
うむ、とひとつ頷いて、真田も席に戻って行く
時計を見れば、次の授業が始まる1分前だった
***
放課後になり、真田と一緒に会議室に向かう
一年生の一部だけが呼ばれたというがどういう基準で選ばれたのだろう、と考えていると、中学時代にレギュラーだった幸村や蓮二や他の元レギュラーたちが、会議室にはすでに座っていた
女子の方も同じように、中学時代の元レギュラーが数人と、私と同じようにテニスで特待生になった生徒がいた
「ふむ、見たところは単純に、一年生で強いメンバーを男女ともに集めたようだな」
『……何で集められたんだろ』
首を傾げつつ席に着けば、すぐに男女テニス部の顧問が入ってきた
そして配られたプリントには、”関東地区 一年生合同強化合宿”の文字があり、参加校と参加者名に”立海大附属 瀬戸 雫”とあった
この会議室にいるメンバー全員の名前が参加者として連ねられている
そしてもうひとつ、他の参加校に”氷帝学園”の文字と、見慣れた懐かしい名前をいくつも見つけた
女子の名簿には、元部長の名前が
そして男子の名簿には、跡部をはじめとする過去のレギュラーたちの名前が並んでいる
その中に、”宍戸 亮”の文字を見つけて、胸が高鳴った
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