月島くん

□高二の月島とヒロイン
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※烏野の部長が縁下、モブ一年生視点あり


夏の合同合宿

月島たちは二年生(未来パロチック)









*モブ視点*



縁「誰か月島見てないか?」



1日の活動が終わった夜の自由時間、部長の縁下先輩がそう尋ねると、みんなが首を傾げた

確かにこの大部屋に月島先輩の姿は見えない




田「どしたー縁下ー」

縁「いや、脱衣所に月島のタオルが置いてあってさ、忘れ物かと思って持ってきた

いないんならとりあえず月島の荷物のところに置いておくか」

西「そういや、風呂のあとから月島見てねーな!どこ行ったんだ?

せっかくみんなでトランプやろうと思ったのによー!」

日「えっ、トランプ!なら月島探してきますか?!」

西「そうだな!」



先輩方が盛り上がる中、月島先輩を探しに行こうという話になった

確かに風呂の時間のあとから先輩を見ていない


どこ行ったんですかね、と隣の山口先輩に尋ねると、山口先輩は苦笑いを浮かべた




西「よっし、じゃー鈴木と井上!二人に月島捜索の任務を言い渡す!」

鈴「あっ、うっす!」

井「心して行ってきます!」



ビシッ、と恭しく敬礼し、大部屋から出る


井上と、とりあえず風呂場の方に戻ってみようと歩き出した








***




鈴「月島先輩いねーなー」

井「他の高校の部屋にいるとか?」

鈴「そんなタイプの人じゃないだろ、どっかで一人で涼んでるんじゃね?」

井「あー、確かに」




烏野排球部に入部して数ヶ月、月島先輩がどんな人なのかはさすがに分かってきた


賢くて冷静沈着で、毒舌な先輩だ

3年の先輩(特に田中先輩と西谷先輩)にも容赦なく毒を吐くし、日向先輩や影山先輩とはよく口喧嘩(と言っても月島先輩のボキャブラリーに勝てない二人がいじめられている可哀想な感じの喧嘩)もしている

どちらかと言えば近寄りがたいし、みんなでワイワイするのが好きじゃない気難しい先輩だ








井「………トランプやりましょー!って言って、来てくれるかな」

鈴「な、不安になってきた」

井「………一応、声かけるだけかけてみ『蛍くんほんっと相変わらずだね!』


………………?何だ?」

鈴「女の人?谷地先輩じゃないな


………あ、あそこ、音駒の二年のマネージャーさんだ」



二人で宿舎の一階をうろうろと歩いていると、外の水道の方から女の人の声がした

この合宿の女の人は限られているが、うちの部の谷地先輩の声ではない

そこで声がした方を見てみると、水道に音駒高校の二年生マネージャーさんがいた







月「相変わらずで悪い?文句ある?」

『ありまくりだよ!』



そんな音駒のマネさんが、月島先輩と肩を寄せ合って水道に腰掛けていた





鈴「えっ、月島先輩」

井「月島先輩が女の人と話してる!」



思わぬ場面に遭遇し驚く俺たちは、好奇心からその場に隠れ、二人の様子を見ることにした


月島先輩と谷地先輩が話している時とは、何となく雰囲気が違う

月島先輩はあの音駒のマネさんと仲が良いのか?

むくむくと湧き上がる疑問の答えを求め、じっと二人を観察した










『………だから蛍くんはさー』

「うるさい」

『ちょ、まだ何も言ってない!』

「自分で”まだ”って言ってるじゃん」





ふ、と先輩が笑う


それに対して怒ってる様子を見せてた音駒のマネさんも、やがて優しく笑った




何だあれ、あんな月島先輩見たことないぞ

谷地先輩と話してる時もほとんど笑わないのに、あの音駒のマネさんには笑ってる

しかもあんなに優しい顔で


日向先輩や影山先輩をいじめる時みたいな悪どい笑顔じゃない、あれは、違う笑顔だ







嘘だろ、まさかあの二人




とあるキーワードが頭をよぎるが、まさかと頭を振った


月島先輩はとてもモテる
それこそ先輩も後輩も問わない

何度も告白されたことがあるらしいし、現に一年生にも何人か月島先輩に好意を抱いてる女子がいるのを俺は知っている


けどその全員を振ってる、という話も有名だった




俺はてっきり、女子とか付き合うとか、そういうのが面倒だから、特定の相手を作っていなかったのかと思っていた

けど、まさか、な




どうしようか、と隣の井上に尋ねようとした時、後ろから名前を呼ばれた


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