5in9world

□4話
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「んー……。」

ふと目を覚ますと
みんな酔い潰れて
眠ってしまっていた。
ただ1人、ブランクだけは
酒瓶を片手に
なにかを読んでいた。

「ブランク…。」
「…なんだ、起きたのか。」

ブランクは傍にあった水を注いで
オレに手渡してくれた。

「ありがとう。」

暫く沈黙が流れて
先に口を開いたのは
ブランクだった。

「…お前平気なのか?
違う世界から来たんだろ?」
「うん…最初は怖かったし
帰りたいって思ったけど、
ジタンもいるしみんな優しいし
今は平気だよ。」
「でもやっぱり帰りたいだろ?」
「今は帰りたくないなー。
この世界のこと知りたいし
結構楽しいし。
オレ旅人だしー?」

ブランクはオレを見て微笑んだ。
その瞬間、胸の奥が
なんだかキュっとした。

その時のオレには
ソレがなんなのか
わからなかったけど。

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